秋が買い時?コスパ最強な冬キャンプ用ダウンシュラフの選び方とオススメ18選!

冬用寝袋は秋が買い時 アイキャッチ 道具

こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!

夏の暑さも落ち着いく秋、今年こそは冬キャンプデビューをしたい!と思ってる方も多いのではないでしょうか?

テントや防寒着、暖房器具など夏とは違う装備が必要になりハードルの上がる冬キャンプですが、最重要な道具は寝袋だと思っています。

寒くて寝れなかった冬キャンプ、そんな嫌な思い出は残すべきではないのですよ。

その冬用の寝袋の買い時は秋がベスト。冬に買おうと思っても売り切れになってることが多いからです。

今回は、冬用の寝袋の買い時が秋が良いワケ、冬用寝袋の種類と選び方、コスパの良い冬用のダウン寝袋のオススメをしていきます。

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冬用寝袋は秋が買い時なワケ

冬用の寝袋を秋に買うのが良いのは早めに買って準備をしておくなんてチャチな理由ではなく、冬になってからでは欲しい寝袋が在庫切れで手に入らなくなるからです。

全ての製品を比較してほしいモノを買えるのが夏~秋で、冬に買うのでは売れ残りから選ぶしかないわけです。

いくつか実例を出してみていきます。

山渓xNANGA

コスパの良い冬用寝袋の定番である山渓xNANGA

9月末時点で納期は1月末です。冬キャンプにもう間に合いません。

受注生産らしく3~4か月先の末という感じでしょうか。そうなると山渓xNANGAを買うなら8~9月がラストチャンスというわけです。すげえな。

Takemo(タケモ)

750FPで少しダウンの質を下げ、ネット販売のみにすることでコストを下げて手ごろな価格ながら高品質の寝袋を出すタケモ。

冬用のスリーピングバッグ7.9.11あたりは7月頃から販売され、冬前の11月頃には在庫切れになります。

現状Amazonではどれも在庫残り〇個の表記がされ、すでに在庫切れ寸前です。そして再入荷は例年1月中旬~2月となってます。

そこで手に入れても11~1月の冬キャンプは諦めるしかなくなるわけです。タケモも11月前の今が買い時です。

他も似た感じに

コスパの良いに絞ってみた山渓xNANGAとタケモだと11月ではすでに手遅れ感が強い印象です。

これが他の有名な寝袋も同様で、例えばモンベルのダウンハガーシリーズも年明けごろには#1#0辺りの在庫がなくなってきます。

実店舗購入にしても競争率が上がるため、寒い時期ほど欲しいモノを欲しい値段で手に入れるのが困難になるのは明白です。つまり、寒さを意識していない秋が冬用寝袋の買い時なのです。

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冬用の寝袋

冬用寝袋のこと寝袋の保温帯のことEN13537のことを話していきます。

冬用寝袋とは

日本の冬キャンプのイメージの差

そもそも“冬”といっても縦に長い日本では地域差が違いすぎます。そのため冬キャンプでイメージする雰囲気や温度差が大きいのです。

ぼくの住んでいる北海道は言わずもがな、関東と関西でも選び方が変わってくるでしょう。山側、海側、日本海側、太平洋側でも大きく気候が異なります。

だからこそ、“冬キャンにオススメの寝袋”ではなく、自分の住んでいる地域の自分が実際行くキャンプ場に適した”冬用の寝袋”を選ぶ必要があります。

それでもあえて、冬用と分類するなら0度以下に対応した寝袋を冬用と呼べると思います。

0度以下対応からさらに細分化して見ていきます。

保温帯

個人的な分類で、冬用の寝袋は3つのグレード(保温帯)に分けるのがわかりやすいです。

今そう名付けただけですが例えば、冬用・厳冬期用・エクストリーム用の3つです。

冬用 厳冬期用
エクストリーム用
快適温度 -5度前後 -10度前後 -15度前後
限界温度 -10度前後 -15度前後 -20度前後
寝袋の例 NANGA600
タケモ7
モンベル#1
AEGISMAX G2
NANGA750
タケモ9
モンベル#0
AEGISMAX G3
NANGA900
タケモ11
モンベルEXP
AEGISMAX G4

正確な温度帯ではありませんが、各メーカーのラインナップ的にこのようになります。

基準としてはNANGAやモンベルはヨーロピアンノームに対応していることもあり、比較対象としてわかりやすいです。

“冬用の寝袋”と漠然と考えるのではなく、さらにグレード分けすることで理解度が高まり、正確に選ぶことができるようになります。

EN13537(ヨーロピアンノーム)の正確性

EN13537 ヨーロピアンノーム

寝袋に詳しい人なら知っているEN13537(ヨーロピアンノーム)のこと。

同一の検査方法で寝袋の温度帯を測ることで、メーカー間の寝袋を比較できるヨーロッパの規格です。寝袋を選ぶ時に参考にしやすい目安だと思います。

しかし、このEN13537規格には欠点がいくつかあるのも事実です。

・マイナス18度以下の時に正確に測ることができない。

・サイズが小さいほど数値が良くなりやすい。

同基準で測ることのできるEN13537ですが、-18度(華氏0度)以下の場合では正確に測ることができないと言われています。

この辺りまでいけば誤差ではありますが、厳冬期~エクストリーム用の寝袋ではEN13537を採用していない寝袋の信頼性が逆に上がってくるというそんな話です。過信せずに自分の選ぶ力を養うべきでしょう。

 

そしてサイズが小さいほど数値が高くなるという点。

マネキンに寝袋を着せて測るため、ピッタリサイズのほうが高い数値が出やすいようです。

寝返りをしないマネキンと比べ、人間は何度も姿勢を変えるのである程度ゆったりしたサイズのほうが寝やすくなります。

特に冬は厚着で寝ることもあるためさらにゆったり目が快適です。

逆説的に、ゆったりサイズ=EN13537の温度的には低くなりやすいのです。

実際にいくつも寝袋に入らなければサイズ感もわかりませんが、EN13537を盲目的に信じることがなくなるため覚えておきたい知識です。

さらに細かいEN13537の話は別記事で書いてます。

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選び方

冬用の寝袋にはいくつかの保温帯があり、EN13537は参考程度にということが分かりました。

安い買い物ではなく、長く使うことになるモノなのでしっかりと吟味して間違いのない寝袋を選んでいきたいです。では冬用寝袋の選び方を話していきます。

寝るときの服装を考える

冬キャンプで寝るときの服装

どんな服装で寝るかが夏以上に重要になってくるのが冬の寝袋です。

ぼくは寝袋から出るのがつらくなるのが嫌でかなり厚着で上下ダウンを着て寝ることが多いです。そのくらい防寒着を着込んで寝る場合は寝袋のグレードを1~2つ下げることが可能です。

逆に、極端ですが冬でもTシャツ短パンのような薄着で寝たいという方もいるでしょう。そんな方は対応する温度帯よりも寝袋のグレード上げて選ぶと安心して快眠することができます。

厳冬期用クラスの冬寝袋を持っていれば、薄着で冬用クラスの保温力として、上下フリース程度着込んで厳冬期用の保温力として、上下フリース+ダウンを着込んでエクストリーム用の保温力にするといった対応力を出すことができます。

EN13537から見る保温力

EN13537(ヨーロピアンノーム)ではコンフォート(快適温度)・リミット(下限温度)・エクストリーム(極限温度)の3種類で温度表記されます。

山渓NANGAオーロラ600DXではコンフォート-6度・リミット-11度です。

一般的にコンフォート~+5度程度を目安にするべきと言われています。-1~ -6度で使うのに適しているということです。

しかし、これは薄着の場合のことで、夏用やスリーシーズン用の寝袋で言えることです。

冬用の寝袋でいえば、大体の人がアンダーウェアやフリース、ダウンを着ているため夏よりも暖かい服装で寝ることが多いです。また、着たまま寝なくても寒ければ着ればいいため夏よりも気軽に防寒しやすい環境にあるのが冬です。

そのことを想定するとコンフォート~リミット程度を目安にしても大丈夫なのが冬用の寝袋です。-6~ -11度で使えるということです。

夏用よりも+5度以上は余裕があることを想定しても問題はないでしょう。もちろん寒がりな人は高めに見積もるのが確実です。

どのグレード(保温帯)の寝袋にするかを決める

メーカー選びやコスパの良い寝袋など気になるポイントは多くありますが、まずは保温帯を先に決めることをオススメします。

冬用、厳冬期用、エクストリーム用といったモノですね。その温度帯の決め方の話。

冬キャンプをする場所

住んでいる地域、冬営業してて行く予定のキャンプ場の気温を調べるとどの程度のグレードが必要かわかってきます。

出典:Time-j.net

表はよく行く通年営業のキャンプ場、北海道滝川のエルム高原の年間気温です。

特に気温の低い12月~3月が冬キャンプとしてみるべき時期でしょう。

大体-7~-12度程度ですが、これは平地の気温でキャンプ場はもう少し冷えるのを想定し、-10~-15程度を目安に選んでいくといいでしょう。

重要なことですが、よほど寒さに自信がない限り寝袋選びでは最低気温で想定するべきです。今後もっと寒い地域へ行くこともあるはずですし。

そして、ここでキャンプをするなら厳冬期(-10~-15度対応)程度寝袋がベスト。NANGA750・モンベル#0程度ですね。

さらに寒さに不安があるなら-15度以下を用意すると安心です。防寒着で対応できるなら冬用(-5~-10度対応)程度でも十分寝ることは可能だと思います。

Time-j.netさんのページが各地の年間気温を検索しやすいです。

各地の気温と降水量のグラフ(雨温図)/time-j.net

自分の耐寒性

雪の上で寝てる人

寒がりな人、暑がりな人という温度に対する人ごとの耐性が確実にあります。それが寝袋選びに関係してきます。

難しく考える必要もなく、寒がりだなぁ、そこまで寒がりではないなぁ程度で温度帯に余裕を持たせるか丁度にするか考えるといいでしょう。

筋肉量の少ない女性は特に寒さを感じやすいためヨーロピアンノームより5度程度の余裕を見ておきたいところです。女性+寒がりならオーバースペックなんて言わず、万全の寝袋を選ぶべきです。

ただ、寝袋を暖かくしてグレードを上げるほど、値段が上がり、収納サイズも大きくなっていくということです。

できるだけ1つで広範囲の冬(11~3月位)をカバーできる温度帯を見つけていくと都合が良くなります。

不安なら一段上を選ぶべき

寝袋は不安なら暖かいモデルを

自分は寒がり、寒いキャンプが怖いという方は1段上(+5度位のモデル)を選ぶことをオススメします。それが冬において確実で、安心だからです。

メーカー的に細かく保温帯で分けられているためその中でも1段上、というのがわかりやすいです。

NANGAなら280→450→600→750、モンベルなら#7→#5→#3→#2→#1というようにです。

1つ上のグレードなら、想定よりも寒い地域に行くとなった時も対応できるため今後への幅を利かせやすいのもメリットです。

熱い分にはファスナーを開閉することで温度調整できるので困ることは少ないでしょう。

しかし、グレードを上げるということは確実に大きく、お高く、極寒に向く分、中途半端な春秋に使いにくくなる点は考慮しておくべきポイントです。

年間キャンパーなら寝袋の使いまわし方として、年間を2つの寝袋に絞って使い分ける考え方も参考に。

同じグレードの寝袋をピックアップする

冬用、厳冬期用、エクストリーム用とどの程度の保温帯の寝袋にするかを自分の用途で決めたら、その温度帯の寝袋をピックアップしていくと選びやすいです。

別の記事でダウンシュラフ200個以上をスプレッドシートを使い、性能で比較できる記事を書いています。使うことで好みの寝袋をピックアップすることができます。

【決定版】寝袋200個以上を一覧表で一括比較+性能別ランキング!

ダウン寝袋 比較一覧表[339袋] 最終更新2023.2.3 - Google ドライブ

 

-9~-13度対応のダウンシュラフ

-9~ -13度リミットのダウン寝袋をピックアップ

上記スプレッドシートを使って並び替えをし、リミット-9~-13度の寝袋(冬~厳冬期用)をピックアップするとこのようになります。

さらに好みでメーカーやFP、重量で絞り込んでいくこともでき総合的に複数メーカーの寝袋を比較することができる表です。

寝心地や生地などは考慮してませんが、性能で比較し希望の寝袋を絞り込むことができます。

見るべきポイント

寝袋の性能

同保温帯で絞りだした中からどれにするか、という一番悩む選択の仕方。

見るべきポイントは主に4つ。

・メーカー

・寝袋の重量と収納サイズ

・FP

・金額

メーカー

イスカ、モンベル、ナンガ

メーカー選びは信頼性であり、アフターサポートの良さに繋がるポイントです。

好みという部分もありますが、ナンガイスカモンベルは品質の良さと購入後のサポートが万全で安心して長く使うことができます。

年単位で長く使えるなら数千円の値段差は無いに等しく、修理やメンテナンスのサポートを受けやすいのはそれだけでメリットです。

コスパも大事ですが、信頼できるメーカーだから高いのも事実で、アクシデントに対応する自信のない人ほど国内メーカーが安心です。

寝袋の重量と収納サイズ

夏用寝袋と冬用寝袋

寝袋の重量と収納サイズは人力の移動者ほど重要なポイントになってきます。

コスパの良い寝袋な時点である程度妥協している部分もあり、重さにも妥協が必要です。

コスパと重量を両立するなら保温力を落とすしかなくなってきます。

値段と重量と保温力の良いバランスのモノを選んでいきましょう。

そして、冬用寝袋は想像以上に嵩張ります。コンプレッションバッグで圧縮するのも手ですが、基本的にはザックを大きくする、車のスペースを広く取るのが正解です。

寝袋の圧縮に便利なコンプレッションバッグの種類と使い方と欠点!

FP(フィルパワー)

ハクチョウ

ダウンの質を表すのがFP(フィルパワー)です。

水鳥の羽毛(ダウン)で、首~胸元から採取され、グース(がちょう)とダック(あひる)に分けられます。

FPは1oz(約28g)のダウンの膨らんだ容積(㎤)で測ります。高いFPのダウンほど少ない(軽い)量で多く膨らみ高い断熱力を生み出すのです。

一般的に650FPで良質、700~800FPで高品質、800FP以上で超高品質と言われます。

が、昨今の寝袋で言えば

・600~700FP:廉価版な格安グレード、中華シュラフで使われることも多い

・700~760FP:価格を抑えながらもそれなりの品質でコスパの良い寝袋(この記事でオススメするグレード)

・800FP:使用者の多い軽量と保温力のバランスが良い登山やバックパックキャンプ用途向き

・850~930FP:一部メーカーが使う超軽量で高額なハイエンドクラス

800FPだから山用とかそういう話ではなく、高くて買えないから650FPにするし、キャンプ用途でサイトまでの移動距離も短いから650FPで妥協するし、メーカーもそれを理解して多少大きくても重くても安く作れるからキャンパー向けには650FPで作り、登山用に同じ見た目を800FPで作り、ハイエンドな900FPも作るということです。モンベルのラインナップがそうなってます。

FPと値段は比例し、高FPほど高価になっていきます。

コスパ重視なら650~760FP程度、軽量コンパクト化を図るなら800FP、好みのモデルがあるなら850~930FPをという選び方で間違いありません。

イージスマックスやネイチャーハイクは安く800~850FPを使うため少し例外だったりします。

金額

最後は結局、金額です。

安いほうがいいのは当たり前で、この記事の大前提がそこです。

それでもあえて言うなら、数年~10年単位で長く使える寝袋は初期投資を少しケチって幸せになれるとは思えません。現状の金銭面に囚われず、少し先を見通した選択をしてほしいです。

できれば店舗で実物を見て決める

最終的な決定はできれば実際にお店に足を運び触って選べるのがベストです。

ダウンの膨らみや収納サイズ、ドラフトチューブやジッパーなど見てみることでわかることもあります。店舗次第では寝袋に入って試してみることもできるためNANGAモンベルイスカなど有名な寝袋ならアウトドアショップに見に行くのがベストです。

特に収納サイズはΦ〇x〇cmといったカタログスペックでイメージしたものよりも遥かに大きいことが多いのがダウンシュラフです。買わないにしろ実物を見てイメージするのは大事です。

セールや旧モデルが割引で置いてあることもあるのも実店舗の魅力です。

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オススメの冬用寝袋

オススメの条件としては「比較的安い・冬用(リミット-5度以下)・重量2kg以下(人力移動でも使える)・ある程度の信頼性がある」でピックアップしています。

関西以西の地域では冬でも必要ない気がするグレードだったりしますが、その場合は紹介してるモデルの3シーズン用で探していただければと。

化繊と比べれば高価ですが、同程度の品質でさらに安いモデルというのはかなりレアだというラインナップだと思います。

安く、冬用の寝袋を買いたいというキャンパーにはこの中からオススメするという寝袋たちです。

では、コスパ重視でオススメの冬用寝袋を紹介していきます。

山渓xNANGA

九州の老舗アウトドアショップ【山渓】と国内寝袋三大メーカーの【NANGA(ナンガ)】がコラボして作っているコスパに優れるシリーズ。

ナンガのオーロラシリーズに代表されるシュラフカバーいらずの防水透湿生地のオーロラテックスを40D生地で仕上げたモデルでブラック単色なのも特徴。

もちろんナンガの永久保証がついてあらゆるトラブルに対応してくれるメイドインジャパンのありがたみ。

生産で納期が遅く、早い時期に注文しないと冬に間に合わないのが注意点。欲しいからとすぐ手に入れることができません。

冬用としてはオーロラ600DX、オーロラ750DX、オーロラ900DXの3種類。

760FPダウンを使用し、製品名相当のダウンが封入されています。

厚めの防水生地を使っているため耐水性があり、テントタープ無しで寝るようなシチュエーションでも安心ですが、重量は同保温力帯の寝袋に比べ重めです。自分で背負うような用途よりは車移動のキャンプ向きな寝袋です。

ちなみに、ナンガは様々なコラボ寝袋を出しているためお得な寝袋が他にも隠れてます。

 

760FPダウンを600+20g封入・重量1250g・収納サイズΦ18x30cm

快適温度 -6度・下限温度 -11度

本州なら平地~山まで使えるグレードです。標高が高いキャンプ場などでは寒い日もあるかもしれません。

 

760FPダウンを750+20g封入・重量1420g・収納サイズΦ22x32cm

快適温度 -8度・下限温度 -16度

平地はもちろん、標高の高い山でも十分使えるグレード。

北海道で冬キャンをするならこの辺りは欲しいところ。

 

760FPダウンを900g封入・重量1550g・収納サイズΦ22x34cm

快適温度 -10度・下限温度 -19度

山渓NANGAで最も暖かいモデル。国内ならどこでも使えるレベル。

車移動で冬に寒いのは絶対に嫌ならオススメ、軽量コンパクト化を想定するなら防寒着と合わせる想定で750DXや600DXを候補にしていきたいところ。

オーバースペックさはありますが、北海道で冬キャンプするなら全然OK。むしろもっと暖かくてもいいと思います。

Takemo(タケモ)

イスカで長く働いた元社員である武本さんが独立して作ったタケモ。

そのため見た目、サイズ感はイスカテイスト。

表地は20Dポリエステルリップストップに撥水加工されています。

コスパに優れる750FPダックダウンを使い、製品名にある7、9、11などの数字に0(ゼロ)を2つつけたダウン量が封入されています。スリーピングバッグ7なら700gという風にです。

製品数を絞り、海外製造、ネット販売限定、広告を出さないことでコストを最低限に抑えて安く高品質な寝袋を作っています。そのせいか知名度はかなり低め。

購入後、未使用で満足できなければ1週間以内で返品可能というのも製品への自信の表れでしょう。

冬用としてはスリーピングバッグ7、9、11がオススメ。EN13537には対応しておらず独自の温度表記なので表記温度をリミット程度とみて、それより高めに見積もるのがいいでしょう。

750FPダウンを700g封入・重量1180g・収納サイズΦ20x37cm

最低使用温度-15度

ダウンの質と量共にナンガ750よりも低めなのでリミット-15度程度かもう少し寒さに弱い感じに思います。

シェルが薄いからか重量は軽め、人力で背負う用途でも使いやすいです。

ジッパーからの冷気の侵入を防ぐドラフトチューブがシングルでついています。

 

750FPダウンを900g封入・重量1440g・収納サイズΦ22x39cm

最低使用温度-25度

厳冬期の2000~3000mの山でも対応可能モデル。

ただ-25度は言い過ぎで、EN13537換算するとNANGA900と比べても-20度に行かないくらいが適正温度帯かと思います。

このモデルとスリーピングバッグ11はドラフトチューブがダブルになります。

 

750FPダウンを1100g封入・重量1650g・収納サイズΦ24x42cm

最低使用温度-30度

ダウン量1100gというかなりエクストリームな仕様。国内ならどこでも安心して使えるグレードでしょう。重量収納サイズを気にしない、車キャンパーで寒さを気にしたくないなら十分有りなモデル。

AEGISMAX

aegismax 寝袋

中国でダウンシュラフを作っているAEGISMAX(イージスマックス)

EN13537対応、RDS認証、800~850FPダウンも使うという中華とは思えないハイスペックさが目立ちます。

800FPダウンのシンプルなマミー型のGシリーズ(G1~5)、保温力特化のフロントジップのAシリーズ、850FPを普段に使ったエクストリームなULTRAなどラインナップの豊富さも魅力です。

ただ信頼性の低さ、獣臭い可能性、重量対保温力の低さなど国産メーカーに比べれば質は劣るのは理解したうえでのイージスマックスにはなります。

 

名前 G1 G2 G3 G4 G5
中綿生地 800FP15D
ダウン量 380g 664g 952g 1236g 1500g
重量 722g 1006g 1294g 1578g 1878g
コンフォート 3℃ -2℃ -8℃ -12℃ -23℃
リミット -2℃ -8℃ -15℃ -20℃ -30℃
収納サイズ(cm) Φ15×28 Φ18×30 Φ20×34 Φ23×36 Φ23×38

イージスマックスのフラグシップGシリーズ

G2=山渓NANGA600DX

G3=山渓NANGA750DX=タケモスリーピングバッグ7

G4=山渓NANGA900DX=タケモスリーピングバッグ9

G5=タケモ9相当の保温力があります。

それでいて今回紹介する中でも格段に安くコスパで言えば最強クラス

イスカ

イスカエアー280X

国内三大メーカーの一つイスカ。

保温力に定評があり、暖かく寝れる寝袋なのが魅力という、当たり前を高次元で成しているのがイスカ。

超撥水表生地、裁縫クオリティ、考え抜かれた構造と寝袋専門のメーカーだからこそのこだわりはスペックには表れない確かな性能が魅力です。

EN13537の欠点を理解し、同等以上に厳しい規格で温度表記をしているのも特徴です。

フラグシップはAir(エア)シリーズで、今年は新しくセパレートボックスを使ったエアプラス撥水ダウン採用のエアドライトが登場しています。

コスパに優れるのは、720FPダウンを使い、軽量性よりも寝心地を重視した生地にしているダウンプラスシリーズ

・ニルギリEX→1270g -15度対応

・デナリ900→1600g -25度対応

・デナリ1100→1830g -30度対応 辺りがねらい目。

 

一番選びやすいニルギリEX。

山渓NANGA750に比べるとやや保温力が低い、ないけど山渓NANGA700程度のモデルです。値段は同程度。

 

デナリ900で山渓NANGA900と同程度か少し低い程度の保温力と見ていいでしょう。

デナリ1100ならさらに高い保温力となります。

モンベル

もはや何が有名とも言えないほどの製品量の多さで店舗に行けばすべてがそろうモンベル。

そんなモンベルの創立初期から作り続けているのがスリーピングバッグで、寝袋です。

細身ながら斜めに縫われた寝袋は独自のスパイラルストレッチシステムで横方向に伸び、寝袋内であぐらをかけるほどのストレッチ性が魅力です。

以前まであったアルパインダウンハガーという800FPの廉価モデルが廃盤となりました。

現在は900FP防水、非防水、800FP非防水の3種類の縫い目が無いシームレスダウンハガーが主力商品です。

コスパで探すならダウンの質を落としたダウンハガー650がいいでしょう。

ダウンが650FPと高くない品質ながら安く、ダウンで仕上げたローグレードモデル。

スーパースパイラルストレッチシステムは135%の伸縮性でアルパインダウンハガーの120%よりもさらに伸びる寝袋です。

・ダウンハガー650#1

650FPダウン、重量1220g、快適温度-5度、下限温度-12度

アルパインダウンハガーの#1よりは#0寄りの保温力でNANGA600DX相当。

・ダウンハガー650#0

650FPダウン、重量1390g、快適温度-8度、下限温度-15度

アルパインダウンハガー#0よりも暖かくNANGA750DX相当の保温力があるのがこの650FP#0。

値段と重量と保温力のバランスがちょうどいいモデルです。

2021年にモンベルの寝袋はフルモデルチェンジして、シームレスモデルになりました。

Naturehike

テントが有名ですが、寝袋も驚くほど種類が多いのがネイチャーハイク。

それでいて良い意味で形状や生地に統一性がないのも独特です。

保温力なら850FP+フロントジップのARCTIC750FPで廉価版のINFERNOが優秀。

オススメはシンプルなマミー型で800FPダウンをふんだんに使ったULGシリーズ

ULG 400 ULG 700 ULG 1000
重量 860g 1170g 1450g
中綿量 400g 700g 1000g
FP 800FP 800FP 800FP
快適温度
(℃)
-4 -10 -15
下限温度
(℃)
-8 -15 -20
収納サイズ
(cm)
Φ19×38 Φ21×40 Φ23×42

ダウン量でULG400/700/1000の3種類。冬用なら700と1000でしょう。

EN13537非対応でダウン量に対して保温力が高すぎるため表記を過信したくないところ。

AEGISMAXとNANGAを参考に考えてみると。

ULG700で快適-3度、下限-9度

ULG1000で快適-8度、下限-15度

程度が適正だと思われます。

オススメ寝袋の比較

ここまで紹介したものをさらに比較。

スプレッドシートでの比較

ここまでコスパ重視で6メーカー18個の寝袋を紹介してきました。それを一覧比較。

6メーカー 18寝袋を比較

200個以上を比較するスプレッドシートを使ってピックアップして保温力で並び替えるとこうなります。

個人的に同列に比較したい寝袋があれば寝袋一覧のスプレッドシートは共有しているので使ってピックアップしてもらえればと思います。

比較

山渓xNANGA Takemo(タケモ) AEGISMAX(イージスマックス) ISUKA(イスカ) モンベル Naturehike
オーロラ600DX オーロラ750DX オーロラ900DX スリーピング
バッグ7
スリーピング
バッグ9
スリーピング
バッグ11
G2 G3 G4 ニルギリEX デナリ900 デナリ1100 アルパイン
ダウンハガー
800 #1
アルパイン
ダウンハガー
800 #0
ダウンハガー
650 #1
ダウンハガー
650 #0
ULG700 ULG1000
ダウンFP 760FP 760FP 760FP 750FP 750FP 750FP 800FP 800FP 800FP 720FP 720FP 720FP 800FP 800FP 650FP 650FP 800FP 800FP
ダウン量 620g 770g 900g 700g 900g 1100g 664g 952g 1236g 700g 900g 1100g × × × × 700g 1000g
製品重量 1250g 1420g 1550g 1180g 1440g 1650g 1006g 1294g 1578g 1270g 1600g 1830g 916g 1060g 1220g 1390g 1170g 1450g
快適温度 -6℃ -8℃ -10℃ -2℃ -8℃ -12℃ -3℃ -6℃ -5℃ -8℃ -10℃ -15℃
下限温度 -11℃ -16℃ -19℃ -15℃ -25℃ -30℃ -8℃ -15℃ -20℃ -15℃ -25℃ -30℃ -10℃ -13℃ -12℃ -15℃ -15℃ -20℃
収納サイズ Φ18×30 Φ22×32 Φ22×34 Φ20×37 Φ22×39 Φ24×42 Φ18×30 Φ20×34 Φ23×36 Φ20×34 Φ22×38 Φ24×38 Φ17×34 Φ18×36 Φ19×38 Φ20×40 Φ21×40 Φ23×42
実売価格(10/7) ¥34,700 ¥40,400 ¥44,300 ¥31,900 ¥37,400 ¥42,900 ¥22,000 ¥29,000 ¥37,000 定価36300 ¥42,900 ¥46,200 ¥46,200 ¥57,200 ¥36,300 ¥42,900 ¥25,000 ¥32,300

表。

補足として、楽天の場合はポイントがひとにより10%前後付くため山渓NANGA等はさらに1割引き程度で買うことができます。

タケモはAmazonでポイントがつき数百円お得に。

モンベルは公式オンラインショップとなりますが、1万円以上は送料無料+モンベル会員なら5~9%ポイントが付きます。

そのためどれも販売価格以上に安く手に入れることが可能です。

高額品のため割引されるのは嬉しいところです。ネットショップを上手に使って少しでも安く手に入れましょう!

さらに暖かい寝袋

「冬キャンプは好きだけど、寒いのは嫌だからなまら暖かい寝袋が欲しいんだ!!」という方もいるでしょう。そうでしょう。わたしもです。

-30度以下で使うことができる極地用とか海外遠征とか8000m級とか、そんなワードが飛び交う世界の寝袋も紹介してます。

-30度までなら国内使用も無くはないのか?と思えるラインではありますよ。

寝袋の保温力をブーストする

寝袋イン寝袋

この記事では寝袋の性能+防寒着で適正温度を作り出すというシンプルなモノがベースでした。

しかし工夫次第で寝袋はいくらでも足りない保温力を補うことが可能です。いわゆる保温力のブーストです。

寝袋を二重にしたり、湯たんぽを使ったり、インナーやアウターカバーを使ったり、毛布を入れたりすればいいのです。

そんな寝袋のブーストを別記事で書いています。冬は知っておいて損のない内容ですよ。

 

寝袋で寝るときに一番最初に冷えてくる部位、それがです。

オーバースペックな冬用寝袋を手に入れても全身暖かいのに足だけ冷えるなんてこともあるほどです。そんな時に履きたいのがテントシューズです。

化学繊維やダウンを使ったゆったり目の保温シューズです。冬キャンプをするなら何よりも先に手に入れてほしい防寒具ですよ。

 

冬キャンプで良い寝袋は買ったのに、意外と忘れガチなのがスリーピングマットです。

エアのみや薄いマットはR値(断熱力)が低く、どれだけ良い寝袋を使っていても底冷えしてしまいます。

だからこそ良い寝袋と一緒に良いマットも揃えるのが理想です。

ぼくのオススメは安い+分厚い+R5.0な冬用JRgearのエアマットがコスパ抜群ですよ!

コスパ抜群JR GEAR(ジェイアールギア) プリマロフト入りマット!
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まとめ

“値段”ではなく正当な製品の“価値”を判断し、自分の用途に適した選び方をできる知識を身に着けてほしいという記事です。その上でコスパに優れるオススメをおまけで紹介でした。

あと「おすすめ〇選」とタイトルをつけると意識の高井ブロガーっぽいよねと付けてるだけで、恥ずかしさ満点のタイトルだったりします。

オススメ〇選と絞られなくても、200以上の寝袋一覧比較記事から自分に適したモノをピックアップできる程度の知識を付けて道具を選べるようになってほしいのがあくまでこのブログのスタンスなのです。

 

冬キャンプで最重要な寝袋。最強の寝袋さえあれば冬キャンプデビューできると言えるほどに。

長く使うことを考えれば初期投資は余りケチらず、安心を買う気持ちで良いモノを買うのは間違いのない選択です。

コスパと信頼とバランスの良い道具選びができると、結果的に冬キャンプを楽しめることに繋がると思います。

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