ヒルバーグソウロを使って気付いたポイントとぼくの評価と用途!

道具

こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!

前回ヒルバーグソウロを設営しインプレッション記事を書きました。

ただ厳しい環境で使うことを想定した4シーズンテントであるソウロは平地で建てても意味がないわけです。というわけで実践的なレビュー記事。

今回はさらに踏み込んで実際に山で使ってみた気付いたポイント、ソウロの評価を紹介していきます。

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ソウロの特徴

ヒルバーグソウロ

ヒルバーグソウロの特徴は

・3本あるポールでの堅牢性

・たくさんある張り縄での耐風性

・フライ吊り下げ式の特殊なポール構造

・ヒルバーグ独自素材ケルロンの強度と耐水性

・カッコイイレッドカラー 

これに関連するものもあれば、無いものをなりますが実際にフィールドで使って気付いたポイントを書いていきます。

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気付いたポイント

気付いたこと。

驚くほどの風への強さと煽られなさ

冬山でヒルバーグソウロを設営

購入前から知ってましたし、初めて設営した時も知ってたことです、ヒルバーグはソウロはめちゃくちゃ風に強いことは。

そんなテント使うなら爆風の冬山の稜線に張るのが礼儀でしょう?

この夜は風速15~20mほど。冬山ではそこまで強い風でもありません。

平地では爆風ですが山岳用テントなら一晩バサバサ煽られながらも平気耐える程度の風です。が一般的に冬山テント泊では風を避ける地点に設営します。

ヒルバーグソウロ

ソウロはポールでフライシートを吊り下げる構造でその中にインナーテントを吊り下げます。そして張り縄の多さ、ポールの多さ、ポール太さ、地面とフライの隙間の無さから風速15~20m程度ではインナーテントまでほとんど風が届きません

ソウロでぼくが一番驚いたのはこの強風時のインナーテント内の快適さです。

ぼくは星が好きで夜テントから外をのぞくことが多いです。そのときにインナーテントで風を吹いてるような感じがないので気軽に外を見ると強風が吹きこんでくることもありました。インナーテントで風を感じられないほどのフライの耐風性なのです。

テントが風に強い弱いとは別に、インナーテントへの影響が少ないという本当の耐風性を持ったテントであるということに気づきました。

フライ吊り下げ式の便利さ

ヒルバーグソウロ

最近は増えてきてますがフライシート吊り下げ式のテントを使ったのは初めてでした。

フライシートを先に張るため悪天候時にもインナーテントを濡らさずに設営撤収できる構造という印象で、実際にソウロもそうでした。

雨キャンプではタープを建ててからテントを張るのと似ています。

最初にインナーテントをつなげたまま撤収しておくことで、設営時にはポールを通し吊り下げるだけの少ない動作で素早く設営できるのがメリットです。

そして外側に頑丈なポールがあり、地面まで覆うフライシートがあるソウロはフライで完全に風や雪、雨を防いでくれるのでインナーテントへのダメージを最小限にしてくれるのだなと、強風の夜に思わせてくれました。

ぼくには対候性の高さという言葉がこれ以上に合うテントは思いつきません。

この対候性の高さからくるのは絶対の安眠です。ソウロはまるで自宅のような安心感が得られます。

前室の広さ

ヒルバーグソウロの前室

通常のX型ポールだけでなく交差して地面まで伸びたポールがある変形*型のポール構造です。

3本のポールは全方位への耐風性の高さでもありますが、前室を広げる役割を果たしてくれていました。

前室の床面積は220x55cmの一般的なテントと似たようなサイズですが、ペグではなくポールで固定された前室は立体的に立ち上がり容積がとても広くしてくれます。

ポールで空間を確保しているので風や雪が降っても前室がつぶれることがなく安定して使うことができます。

テントの前室に雪がつもる

ペグで前室を作る形状のテントでは雪が積もったり、強風時には広いと思っていた前室もつぶれて使えるスペースはほとんどなくなってしまうのです。

ならなくてもいいよね、と思うと冬は前室のないシングルウォールテントを使う人も多いです。

しかし前室があればあっただけ快適で便利です。

そのままでも高さがあって便利なソウロの前室は、雪の降る冬でも強風時でもつぶれない空間でいつでも同じ広さの前室を使うことができます。

悪天候時ほどその恩恵は大きいです。

前室のベンチ窓が便利

ヒルバーグソウロのベンチレーション

フライについている、レインカバーに隠れる部分にあるベンチレーション。これが天窓にもなります。

インナーテントもダブルジッパーになっていて上から少しあけて、天窓も少し開けると外の景色を見ることができます。

ヒルバーグソウロから外の景色を眺める

寒くて外出るのはなぁ、太陽は出たかなぁ、というときに最小のジッパー解放で寒い冬もテント内を冷やさずに外の景色を眺めることができます。

気軽に外を見ることができるのはとても便利。特に写真を撮る人は重宝するでしょう。

インナーテントが思ったより広い

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出典:Hilleberg

インナーテントのサイズは下の写真で見た時に左側を頭にして寝ると

長さは220cm、頭側が63cm、足元が73cm幅、五角形の頂点になる最大幅が105cmです。

一般的な一人用のテントは210x90cm位です。

数値で見るとソウロは狭いように感じますが、最大幅の位置に小物や荷物を置きやすく、足元にザッグを置くことができます。実際割と余裕がある広さです。

低身長族のぼくだからこの広さでも十分快適ですが、180cm位ある方では狭く感じる方もいるでしょう。

大きなジッパーで使いやすい

ヒルバーグソウロのファスナー

ヒルバーグのジッパーはリングが大きく冬にグローブでもつかみやすいです。

さらに写真下部の赤いトグルでジッパーを固定することで風でジッパーが開いてしまうことがないといいます。ないですけどねそんなこと。

テムレス噛む問題

ヒルバーグソウロ クリップでテムレスが噛む問題冬にテント張る時はグローブのまま作業するじゃないですか。

その時に使うグローブってテムレス率高いと思うんですよ。そしてテムレスってピッタリサイズじゃなくて少し大き目サイズ履いてる人が多いと思うんですよ。

でヒルバーグソウロのポールクリップはかなり硬くて、つける時にテムレス親指の余った部分が巻き込まれちゃうんですよ。

しかもクリップきつきつで挟まれたテムレス全然取れないんですよね。一回外して慎重に付け直さなきゃいけないです。

ぼくとテムレスが悪くてソウロは悪くないことなんだけどほぼ毎回噛みつかれてます。

雪上に映える赤

ヒルバーグソウロを俯瞰撮影赤いテントと雪は合うんです。

すると、めちゃくちゃカッコいいんですよ。

ヒルバーグソウロ冬の自然の中にはない赤はもうひたすら映えます。

このテントを眺めながら寝たい、そう思うほどに。

見た目の好みはテントの最重要な要素だと言えます。

夜光らせるとオレンジになる

ヒルバーグソウロを冬山で張る日中は太陽に照らされ真っ赤なソウロも、夜にランタンで光らせると黄色いインナーテントでオレンジっぽい色になって光ります。

ヒルバーグソウロ朝晩の日の出ていない時間帯や星撮影ではソウロを赤く見せることはできないでしょう。

オレンジか黄色か、その色も好きですが真っ赤が好きで買った人は少し残念な気持ちになってしまうかもしれません。

星空を撮影したときにテントがぶれない

星空とテント

冬の展望のいい場所で星とテントを撮ろうとすると大体強い風の中での撮影です。

星の撮影では30秒ほどシャッターを開き1枚の写真を撮ります。そうなるとあまり強くない風でも普通のテントでは全体的にぶれてしまうんですよね。

被写体ブレというやつです、ポールがぶれてフライも動きピントが甘いような写りになってしまいがちです。

ヒルバーグソウロ

ソウロは3本のポールで6カ所が地面と接していて、さらに張り縄も各2本ずつ計12本あります。

するとちょっとやそっとの風じゃフレームがぶれないんですよ。

限定的であまり共感してもらえない話なんですが、テント+星を撮影するのが好きな人には嬉しいところです。

結露が少ない

ヒルバーグソウロの中でジェットボイルを使う

使用頻度がまだ足りなくて断言できないですが、ソウロは明らかにインナーテントの結露が少ないです。

ヒルバーグの使うインナーテントの生地は通気性が高く湿気を排出しますと公式サイトに載っています。

にしてもフライ全閉めインナー入り口も締めた中でガンガンジェットボイルを使ってもほとんど結露したことがありません。

気温なども影響するのでしょうがぼくのなかでソウロのインナーは非常に結露しにくいというイメージになっています。

ペグ性能は重要

ヒルバーグソウロ

耐風性の高さを活かすためにペグにもそれなりの性能が求められます。

ぼくはもちろん爆風でも絶景の場所に張りたいわけです。

そうなると18cmのチタンペグ程度では固定力が弱くて歯が立たないので30cmスノーペグを埋め込んだり、50cmピッケルやトレッキングポールなんかのバチ効きするペグが必要になります。

しかしペグも頑丈なモノにすることで最強のテントになってくれるのです。

やはり重い

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ソウロの実用重量が2400g

山で使うには重い、重すぎる。

この重量だと軽量化が進む現代のアウトドア界ではそもそも選択肢にすら入らない人も多いでしょう。

ソウロの一番の欠点が重量だと思います。

ただ重いから使わないと評価するには非常に勿体ないテントなのが難しいところなのです。

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ソウロは安心して寝れるテント

ヒルバーグソウロを魚眼撮影

ぼくがこのヒルバーグソウロを評価するなら「どんな過酷な環境でも安心して寝ることのできる最強のソロテント、でも少し重い」になります。

風への強さや堅牢な生地もすべては寝るためのモノです。

テントを使う本来の目的は寝ることでしょう。そこに特化した原点に最も近いテントだと思います。

寝れるテント、当たり前ですが爆風でも吹雪でも大雨でも安心して寝ることができるというのは案外一番難しいポイントだったりするのです。

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ソウロをどう使うか

ヒルバーグソウロ

使っていく中で気付いたポイントを書いてきましたが、それがメリットかデメリットかは使用者によって変わってきます。

また使うシチュエーションで大きくソウロを使う恩恵は変わってくると思うんです。

まずはこの2.4kgの重さをどう見るかが一つのポイント。

そして異常なまでに高い対候性が必要かどうかもポイント。

山で使うなら吹雪でも強風でもあらゆる悪天候下でも安心して寝ることのできるサイコーの相棒(ただ重い)になってくれるでしょう。

キャンプで使うなら車やバイクなら少しインナーサイズが小さいですが重さは気にならず安眠できるサイコーのテントだと思います。ヒルバーグを使うという一種の特別感のようなモノも得られるでしょう。

バックパックスタイルの徒歩キャンパーは登山者以上にUL思考が強くまず選ばれないであろうテントですし重たいのでマニアックな人以外は選ばないと思われます。

そう考えるとソウロのベストバイは車かバイクキャンパーなのではないでしょうか。

しかし過酷な環境でこそ真価を発揮するテントなだけに吹雪の冬山縦走で使って欲しいとも思います。

ただ過酷な山では軽量化して少しでも楽にしたい気持ちも強いわけです。でも1日の終わりは安眠したいので、ソウロもいいなという二律背反。

正直ソウロはその重さから山で使うには非常に用途の難しいテントであるように思えます。

それでもぼくがソウロを使うとしたら「あまり厳しくない天気の冬山縦走で1日のコースタイムが6時間程度の楽な山行、さらに景色の良い稜線にテントを張って景色を楽しむ登山がしたいとき」です。

まとめ

山岳ライターの使用者も多く評価も高いテントです。

森山伸也さんは「夏のスウェーデンのロングトレイルや晩秋の北アルプスではこのくらいの強度が欲しい、70泊以上して眠れなかった日はない最も信頼しているテント」とピークスで語っていた。

高橋庄太郎さんの記事は見つけれなかったんですが、快適に寝れるテントのように書いていたはずです。

安心して寝れるテントはそれだけで価値のあるものですよ。

ソウロを設営したファーストインプレッション記事もどうぞ!

 

同じヒルバーグ、レッドレーベルソロテントのアクトもレビューしています。

 

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