こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
今あなたが欲しいモノを当てましょう。
ずばりパックラフトですね?
そうでしょうわかりますとも。
どのパックラフトを買うかは決めましたか?え、まだ?ではこの記事を見て絞り込んでいきましょう。!
今回は国内外のパックラフト100艇以上を比較して自分に適した1艇を見つけましょう!
パックラフト一覧比較表
2022.5.8 105艇(国内品58艇・海外品47艇)
いつも通りグーグルスプレッドシートを共有、新しいモノが増え次第随時追加していきます。
別ページに飛ぶのが不便ですが、並べ替えや絞り込みといった数字での比較がしやすくなります。
国内流通品はほぼ網羅してるはず。海外品は有名ブランドのみ。
付属品のスケグやセルフベイラーに付くことが多いサイストラップなどは考慮できてません。
パックラフト一覧比較画像
・2022.4.27 Ver1.0 高画質な画像で見る(約5.8MB)
ブランド名のアルファベット順になってます。
円で買える国内流通品限定のみ。
海外通販が苦手だったり、何か月も待てない人はこの中から選ぶことになります。
項目
各項目で表を作りました。
わかりにくい部分を説明。
・金額(税込)→税込み金額。米ドルは日本非流通品。NDZはニュージーランドドル。
・総重量→パックラフト本体+シート+背もたれ+各種小物の合計重量
・本体重量→パックラフト本体のみの重量(一部シートが含まれてるものもアリ)
・チューブ径→空気を入れたパックラフト周囲のチューブの太さ。
・全長全幅比→全長/全幅の比率。後述。
・外面積 全長×全幅→全長×全幅での長方形での雑な外径面積
・内面積 内長×内幅→内長×内幅での雑な居住スペース面積
・定員→乗艇可能人数。1.5人は大人+子供、大人+犬のこと。2人はシートが2つ付けれる。
・気室→パックラフト本体の前後で空気室が分かれて2ヶ所のバルブから空気を入れれるのが2気室。セルフベイラーにはシート一体型モデルがあり、実質2気室だが1気質と記載。
・内部ストレージ→パックラフトを膨らます前にチューブ内部に荷物を入れて置ける防水スペース。オプションで付けれるモデルが多い(+1~2万円)
・用途→静水(流れの無い場所向きモデル)、流水(多少の流れも行けるモデル)、白水(ホワイトウォーター向きモデル)の3つで分けてるが独自分けなので参考程度に。
・ドル→円 送料込み→リアルタイム為替で計算したドルを円換算金額に各社送料も入れた金額
スプレッドシートの使い方
スプレッドシートはある程度使い方を知ってないと便利さを感じにくいと思います。
シートサイズが大きいのでスマホではやや操作が大変で、タブレットやパソコンがオススメです。
簡単に使い方を説明。
コピーを作成
個人的には共有シートのままではなく、共有シートを自分のGoogleドライブにコピーして使うことをお勧めしてます。
コピーすることで並び替えや行や列の削除などがしやすくなるからです。
共有シートを開く(URL)→ファイル→コピーを作成→名前など入力→コピーを作成
すると自分のGoogleスプレッドシート一覧に「パックラフト比較一覧表のコピー」を作ることができます。
同時に共有シートも追加されます。
画像では左がコピー、右が共有シートです。
コピーを作ると閲覧のみだった共有シートの制限がすべて無くなり、並び替えや列や行の移動削除追加などをすることができます。
何なら数字の書き換えなんかもできる自分のシートにできます。
金額で並び替え
並び替え等のヒントとして金額に円とドルがあって安い順に並び替えてもドルが上に来てしまいます。
海外品を省く方法は色々とありますが、
金額(税込)横のフィルタ→条件でフィルタ→次より大きい→3000
で3000ドル以下が消えて、3000円以上の日本流通パックラフトが残ってくれます。
それと右端に「ドル→円」の列も作ってます。
関数でリアルタイムの為替での円金額を出してます。
送料も入ったリアルな金額になるためこちらの並び替えを使うのが確実です。
列の並び替えと削除or非表示
より自分好みに並び替えしていくことで見やすくなると思います。
あまり興味ないなって縦列は右クリックで非表示や削除、左側の項目が見やすいと思うのでドル→円などは左へ持ってきて、列と行の幅を広げて画像を大きく、金額と重量は文字サイズを上げて・・・
という感じで何でも自由です。
並び替えや削除をし過ぎてぐちゃぐちゃになってきたら共有シートからコピーを作成し直せばすぐに元に戻すこともできます。
そのまま見る
スプレッドシートは便利ですが、こんなブログで紹介されたシートのコピーを作って比較までする人なんてほとんどいないんですよ。
というわけで共有シートのままでも使える並び替えフィルタのテンプレートをいくつか作りました。
▽のようなフィルタボタンから名前で選択すれば絞り込まれます。
・タンデム+重量順
・国内外+オープン+セルフベイラー+重量順+一人用
・国内外+セルフベイラー+重量順+一人用
・国内品+オープン+金額順+一人用
・国内品+セルフベイラー+金額順+一人用
使い勝手の良さそうなモノをフィルタテンプレートを作ってみました。
コピーを作成するとこんな並び替えができるようになりますが、がっつり買う気でなければこのフィルタで十分かと思います。
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内訳
調べた100艇の内訳。
オープンデッキ | 37艇 |
セルフベイラー | 23艇 |
スプレーデッキ | 21艇 |
簡易スプレーデッキ | 17艇 |
ボート | 2艇 |
オープンデッキが多め、次いでセルフベイラー。
1艇目を選ぶならどちらかになることが多いと思います。
MRSから選ぶなら簡易スプレーデッキもありですね。
ボートは耐久力が低いパックラフト?というモデルを2艇。
・オープンデッキ→一番ノーマルなパックラフト。流れの少ない湖や川といった静水に向いたモデルが多い。軽量で安価。
・セルフベイラー(自動排水機能)→底に穴が開いたモデル。常に浸水状態にあるが一定以上の水はたまらないため川下りのような流水に向いたモデル。
通常は別付けインフレータブルフロアですが、セルフベイラーには本体に一体型インフレータブルフロアのモデルもあります。
・スプレーデッキ(スプレースカート)→上部に取り外し不可の防水のカバーが付いたモデル。腰にスプレースカートを装着し艇上部に取り付ける。上部からの水が入ることは無いため暖かく流水向き。転覆時に抜け出すのが大変。
・簡易スプレーデッキ→取り外し可能なスプレーデッキが付いたモデル。腰にスプレースカートを付ける必要が無く乗り降りは少し楽だが完全に水を防ぐことはできない。静水域では取り外して使うこともできる。
ブランド数 | 11社 |
今回調べたパックラフトのブランド数は11社。
製品が1つしかないおまけ的なブランドは3社でした。
ALPACKA RAFT | 38艇 |
BLUENILE GEAR FRONTIER |
22艇 |
MRS | 16艇 |
他 | 22艇 |
ブランド別の内訳。
パックラフト開拓の元祖であるアルパカラフトはサイズや種類展開を多めに書き出したので38/100と4割がアルパカという状態です。
BLUENILEGEAR(ブルーナイルギア)は日本人が企画するジャパンブランドですが、製品は中国ブランドのフロンティアがベースです。
ブルーナイルギア+フロンティアで22艇あり、アルパカも合わせると60/100で6割がアルパカかフロンティアという状態。
次いでMRSも多めで16種類でした。
アルパカ+フロンティア+MRSで76艇です。11社あってもメインは3社だったりします。
海外品送料
ドルで表記されたアルパカラフトなどは海外通販(ガイツー)で個人輸入することで購入することできます。
商品代金だけでなく、送料と関税分も追加されるため「ドル→円」の金額よりも費用が掛かります。
送料 | |
ALPACKA RAFT | 50ドル |
KOKOPELLI | 330ドル |
表の中で注文されそうなのはアルパカラフトの送料は安めで一律50ドル。
1艇買っても2艇買っても50ドル(約6500円)。
代理店のサニーエモーションはここ2~3年仕入れてないようでアルパカラフトを買うなら海外公式からとなります。
関税も必要で、配送業者でも変わりますが注文代金の10%程度は見ておきたいところです。
ココペリはモンベルが代理店でほとんどの製品を販売してますが、初心者向けではないスプレーデッキタイプは日本展開していません。
輸入すれば手に入りますが送料が約330ドル(約43000円)かかるためココペリ輸入は現実的ではありません。
ブランド別紹介
パックラフトを選ぶ上で知っておきたい6ブランド+αを紹介。
ALPACKA RAFT(アルパカラフト)
パックラフトを製品化して世に送り出した元祖。
サイズ、種類の多さは他を寄せ付けないラインナップで欲しいモノが無いってことが無い。
しかし最高級パックラフトブランドですべてが高額。
カラーリングやデザインもカッコよくアルパカラフトを選べるパックラフターはかっけえなって思います。

出典:ALPACKA RAFT
2022年現在、13種類モデルがあります。
定番モデルはオープンデッキのクラシック。
セルフベイラーならウルヴァリンかナーワル。
バイクラフティングならミュール。
軽量ならゴーストかスコット。
狩猟した動物を積む(??)ならレンジャー。
2人で乗りたいならタンデムのフォーレンジャー。
というようにパックラフト選びで困ることはまずありません。みんなの憧れなアルパカです。
FRONTIER(フロンティア)
中国で2010年創業のAUDAC SPORTS(アーダック スポーツ)社が展開するのパックラフトブランド フロンティア。
おそらく工場規模が大きくて製造量もかなり多いようでOEM(受託製造)なども行っている様子。
数年前からスター商事が代理店になりました。ペトロマックスやフュアハンドを扱ってる代理店でウォータースポーツに力をいれています。
CW(静水用)→オープンデッキモデル
WW(ホワイトウォーター用)→セルフベイラーモデル(ロッカー有)
HB(静水+流水用)→セルフベイラーモデル(ロッカー無)
この3種類がメインで全長の違いなどで細かく展開しています。
スター商事以外も販売してる店舗が多く、楽天市場やナチュラムやメルカリでも購入が出来るため定価よりも安く購入できる珍しいパックラフトでもあります。
珍しい迷彩カラーがあるのも魅力的です。
BLUENILE GEAR(ブルーナイルギア)
日本人が立ち上げた日本発のパックラフトブランド。
学生時代にエチオピア 青ナイル川をダッキーで下ったのがブランド名の由来です。
ニンバスはフロンティアがベースですが、一体型インフレータブルフロアのグルカなどアーダック社と共同開発した独自モデルも展開してます。
個別カスタムの相談にも乗ってくれるようで、ユーザー目線で中々情熱的なブランドの印象です。
カスタムカラー、TIZIP(内部ストレージ)の追加、スプレーデッキの有無に対応していて自分だけのパックラフトを選びやすいブランドです。
国内で流通してる中で最安パックラフトが多く、コスパで探すならブルーナイルギアは外せません。
店主が一人や家族とパックラフトに行ったときの内容がブログで公開されてるのもショップを近くに感じられて好感が持てます。
KOKOPELLI(ココペリ)
日本を代表する総合アウトドアブランド モンベルが代理店を務めるアメリカのココペリ。
イメージカラーは黄色。
超軽量オープンデッキ、セルフベイラー、高強度オープンデッキ、高強度セルフベイラーとやや独自路線で展開しています。
モンベルサイトでは「〇Dナイロン」としか書かれて無くて不親切ですが、海外公式を見ると「TPUナイロン」なことがわかりました。
高強度モデルは「1000D強化PVC」を使ってます。
他ブランドにはないパックラフトの気圧表記があり、1.0PSI(重量ポンド毎平方インチ)だそうです。
自動車で約35PSI、ロードバイクで約60-80PSIなのでパックラフトは浮き輪レベルの圧ですね。
MRS(エムアールエス)
KAZE STOREが代理店をしている中国のブランドMRS(Micro Rafting System:マイクロラフティングシステム)。

出典:KAZE STORE
種類の豊富さ、カラバリの多さ、カスタムカラー、ISS(内部ストレージ)カスタム、サイトの見やすさなど好みのモデルを選びやすいように思います。
オープンデッキでシンプルなTuloとPontoは値段も安く手を出しやすいモデル。
少し手を伸ばすなら直進性やカスタマイズ性が上がる簡易スプレーデッキのMicro Packraftシリーズ。5サイズ展開で身長や積載量で選べます。
全体的にフロンティアより少し高いかなくらいの値段設定。
速度重視やホワイトウォーターへの性能を★で可視化してるのも非常に親切です。
自宅配送でのレンタルサービスもやっていて使用後に購入すると割引もされます。
全モデルにスケグ標準装備になったのもすごく良い。
欠点はセルフベイラーモデルが1種類しかないことでしょうか。ただの穴では無く、カバー付きセルフベイラーで気になる艇ではあります。
そして初心者向けではないと言われるスプレーデッキタイプが多いのも若干うーんなとこ。
出品者KAZEストアでAmazonでも購入可能ですが値段は同じ。アリエクスプレスは割高。
もっと安いパックラフトもありますが、重量・全長・金額的にオープンデッキならPontoはバランスが良いです。
ROBfin
チェコのインフレータブルボートを製造販売するロブフィンデザイン。
代理店は岐阜県長良川のラフティングツアー会社であるデッキーズ。

出典:ROBfin japan
ぼくらのイメージするパックラフトとは少し異なるタイプですが、大きくPACKRAFTと書いてあるのでパックラフトです!
軽量携行性を重視したモデルとは用途がやや異なり、激流を下るのに特化しています。
強度の高いPVC素材でポンプで空気を入れることで高い気圧(約3PSI)にすることができるため、剛性が高いのが特徴です。
約6kgの重量も安定感に繋がるため他パックラフトよりも安定感が上がります。
川下りに限定すればパックラフト中最強と言って間違いないでしょう。

出典:ROBfin japan
パックラフト=フラットボトムですが、ロブフィンはやや丸みのある形状なのも川下り向きです。
“パックラフトが欲しい人”が買うモノでは無く、ダッキーなどで川下りをしたい人が2艇目とかに買う艇だと思います。
GRIFFON RAFT(グリフォンラフト)
現役探検家が店主というパワーワードが炸裂する元気商會が設計開発販売するオリジナルブランド グリフォンラフト。
ロシアのノルティックの代理店で販売してましたが、最近は在庫がほとんどなくグリフォンラフトだけで展開していくのかなと見てます。
現状、2艇+1艇開発中の3種類。
ぼくが購入したのがストレウス。
たくさん調べて何度か使って思うのはオープンデッキにしては比較的流水-ホワイトウォーター向きモデルなこと。
尖った船首とロッカー、全長の長さ的にこのまま穴開ければセルフベイラーとして使えそうなパックラフトに思えます。
2800gという適度な軽さも、ボトム840Dなのも、スケグ付きなのも、2気室構造なのも、大好きなオレンジなのも考えるほどに買ってよかったなと思える1艇でした。
ボート
パックラフトを調べるとたまに出てくるパックラフト?な異端児。
明らかに形状がイメージと違うやつらをボートと分類しました。
ただ本来ボートが表すモノは後ろ向きで漕ぐ舟なので語弊はありますがまあ分かればいいでしょう。
KLYMIT
エアマットで有名なアメリカのクライミット。
が出しているぱっくら・・・ボート?
形状が特殊で何なのかもわかりませんね。
本体重量約1270gでパックラフトと比べてると半分程度の重量。24×15cmの収納サイズはスリーシーズン寝袋程度。
国内使用者が多く日本語レビューもヒットするのが良い所で想像以上に高評価。
210Dポリエステルで強度はそれなりにありそうです。
海外公式では日本発送していませんが海外通販で探すとやや安め。国内流通量も多いようで3.5-5万円位が相場のようです。
SUPAIADVENTURE GEAR
完全にゴムボートである。
しかし、重量793gと驚異の1kg切りで長170×幅100cmの小型パックラフト相当なサイズ感があり、約147kgまで乗せることがでます。
75Dポリエステルリップストップ生地で耐久力には不安がありますが、静水で底のするようなことのない場所なら使えるのかも・・・?
公式ショップで350ドル+送料53ドル=403ドル(約50,000円)とボートにしては高すぎるのがネック。
スペックランキング
数字で比べたパックラフトランキング。
表の画像に製品へのリンクが埋め込まれてます。
最安パックラフト
パックラフトは欲しい、だが金はない。
そんな人のための最安パックラフト。
全てオープンデッキで全長が短めな各社の最安モデルです。
軽量で小さくなる持ち運びやすいパックラフトらしいモデルとも言えます。
66,000円が2つありますがどちらもフロンティア系統。
スペックもほぼ同じでデザインが違うのと、何故か重量が600gも違う謎。
ブルーナイルギアは別料金追加でカスタムカラーを選べるのも強みです。
ただし積載能力や走行性能は他モデルよりも落ちるため静水用で長くない距離に向いたモデルという認識はしておきたいとこ。
でも高い性能が欲しいならカヤックを買えばいいし、パックラフトを一番楽しめそうなグレードな気もします。
結局のとこパックラフトが欲しいならどれにするか悩むよりも早く買ったほうが幸せになれます。
それでもある程度の積載力や走行性能を求めるとMRSのTuro、Pontoが時点です。
最軽量パックラフト
軽い順。
全て10万円以下で安いパックラフトが軽いパックラフトなことを見ると、アウトドアギアあるあるな軽量=高価が当てはまりにくい道具だと言えます。
重量的に2kg前半なら最軽量クラスのパックラフトですが、アルパカはレベルが違って2kg以下を2艇もラインナップしています。
しかもゴーストに至っては1020gという文字通りお化けスペック。他社最軽量Nimbus air 180(2100g)の半分以下。KLYMIT(1270g)よりも軽いです。
ただ本体70Dフロア210Dと強度的には不安がありますがそれでも軽すぎる。
全社見るとアルパカは特に軽い傾向にあります。TPUコーティングが違うのかな?と思ってます。
最安セルフベイラーモデル
ホワイトウォーターで使いやすい水が溜まらないセルフベイラータイプ。
最安11.8万円というオープンデッキ最安6.6万から一気にハードルが上がる金額。
PFDとパドルを追加すると+2~4万は必要で最低14-16万円。ドライバッグやウェアなど周辺アイテムも追加すると20万円コースです。
ブルーナイルギア ウェーブハンターはフロンティア WW-255(15.2万)がベースですが本家に比べかなり安め。フルフロア、3/4フロアを選択できるのも嬉しい。
安くセルフベイラーパックラフトの購入を考えるとブルーナイルギアが第一候補になるはず。
さらに手を伸ばすとMRS バイキング(14.8万)やココペリ ニルヴァーナ(16.7万)になりますが、そこまで来るとアルパカも候補に入ってくる金額帯です。
初めてのパックラフトを買おうと調べるとたどり着く「初めての1艇はセルフベイラーを買っておけ」という意見。
パックラフトを買う→パックラフトで遊ぶ→川下りをするようになる→オープンデッキはすぐ水が溜まって水だしが面倒→初めからセルフベイラーを買えばよかった
と後悔しないための先人たちの教えです。
1艇目を選ぶ初心者的思考では「川下りは怖そう」「ずっと浸水してて濡れるの嫌だし」「金額が高くなる」のがセルフベイラーを選びにくい理由です。
個人的には、ソロで遊ぶ人なら見るからに危ない川もリスキーですし、急ぐ川下りでも無いから安く遊び始めやすいオープンデッキのパックラフトがオススメ。
ただすでに川下りをしている友人がいて、その人がセルフベイラーやスプレーデッキのパックラフトだったり、ホワイトウォーター用カヤックを使っているならオープンデッキではなくセルフベイラータイプにするべきだと思います。
ソロなら溜まった水を捨てる手間よりも安さやセルフベイラーじゃないからと攻めない言い訳を作れるメリットが大きいと思います。水が溜まる→水を捨てる→ついでに休憩、と頑張りすぎないことにもつながります。
ただ複数人で遊ぶならその少しの手間がストレスになってくるはず。
セルフベイラーかオープンデッキどちらにするかで悩んだら、遊ぶのがソロか複数かで考えても良いと思います。
形状での特徴
ここまでこの記事は一段落しました。
ここから先は数字を見て好き勝手推測をしながらパックラフトの理解を深めて言ってるつもりな話です。引き返すならこの辺りがベストかと。
それはそうと調べていくうちにわかってくるパックラフトの形状での特性がありました。
4種類のタイプ
ぼくはざっくり4種類に脳内で分類してます。
・静水用の底フラットタイプ
・ホワイトウォータータイプ
・カヤック型のスピードタイプ
・積載し放題の1.5人用タイプ
の4つです。
順番に形状での特徴を書いていきます。

出典:KAZE STORE
画像左側は進行方向(船首)、右側が背中側(船尾)です。
パックラフトは一般的に人が乗った時に荷重がかかりやすい背中側のボリュームを大きくすることで浮力と安定性を得る構造になっています。
静水用と言われるモデルは船首が丸く、底がフラットな構造になっているモノが多いです。
そうすることで前後左右への安定感が出て、直進性が増すため、初心者でも使いやすい舟になるようです。
パックラフトのタイプで見るとオープンデッキはほぼこの形状で、簡易スプレーデッキモデルもこの静水向きな形状になっているモノが多いようです。
車に例えると、適度な積載で万人向きでコスパに優れる『軽トールワゴンタイプ』です。

出典:KAZE STORE
逆にホワイトウォーター用と言われるモデルは船首は長く鋭くなり、フラットではなく上向きなロッカー形状になる傾向があります。
そうすることで波に当たった時に受け流しやすく、落ち込みや滝を降りた時に突き刺さりにくくなるようです。
その形状が強くなるほどに“ホワイトウォーターでも使える”ではなく“ホワイトウォーター専用”になっていくため、ゆったり乗るのには向かなくなるようです。
車に例えると、厳しいコースを積極的に進んでいくための『SUVタイプ』です。

出典:KAZE STORE
種類は少ないですが、静水域での直進性、速度を向上させたハイスピードモデルもあります。
見た目通り全長は長く、船首は細い形状にすることで水の抵抗を減らし速度にします。。
カヤックも同様ですが、海用のシーカヤックほど細く長くなっていきます。
直進性と速度が上がる変わりに左右へのバランスは悪くなり、旋回能力が落ちます。
またパックラフトで言えば長すぎるとホワイトウォーターにも向かないようです。
車に例えると、少しでも速く目的地にたどりつくための『スポーツカータイプ』です。

出典:ALPACKA RAFT
さらにレアな種類では幅広め船首丸めな安定感と積載力重視なモデルもあります。
この形状はオープンデッキタイプなことが多く、スプレーデッキタイプもたまにあるという分布です。
釣りやキャンプでたくさんの荷物を積むのに向いています。
ぼくは1.5人用と読んでますが2人乗りは厳しいけど、犬や子供と乗るのに向いたモデルでもあります。身体の大きな人がゆったり乗るのもアリですね。
車に例えると、無限の荷物を積むために生まれてきた『ハイエースタイプ』です。
スケグ(フィン)
船尾に取り付けられることのあるスケグ(フィン)。
スピードタイプなどにつくことが多いです。ぼくの使ってるグリフォンラフト ストレウスも付属しています。
簡単に付け外しができ、付けることで直進安定性が向上します。
細長いカヤックに比べ、丸いモデルが多いパックラフトはめちゃくちゃ回転しやすいわけです。
よく言えば小回りが利くんですが、直進する力が左右に逃げて進む速度の低下につながると思います。
その回転を抑えて直進する力に変えるのがスケグの効果です。
パックラフト2~3回しか乗ってない初心者が付けた瞬間に違いが分かる程度に安定してくれます。
全てのパックラフトで付けれるようにして付属すればいいのにって思ってますがスケグ対応モデルは少なめです。
チューブ径
パックラフト購入までに調べててチューブ径に言及してる人を一人も見つけれませんでしたが、考えてみると重要というか特徴が見えてくる要素の一つだと思います。
パックラフトの膨らました外周を覆うのがチューブでその直径がチューブ径です。
船首、船尾は太くなっているため左右を測ったモノがスペック記載されるチューブ径でしょう。
一部ブランドは記載がありませんが、全モデルで見るとチューブ径25-33cmの間でした。
インチ表記で考えれば10インチ(25.4cm)から13インチ(33.02cm)です。
チューブ径と幅
ということは左右のチューブに挟まれた中に内幅があるわけで、つまりはそれが全幅となるはずです。
全幅=(チューブ径×2)+内幅
で計算できるはずということです。
計算して、全幅との差も出してみました。
+5から-6の間でおおよそ計算でチューブ径と幅の関係は成り立ってることが分かりました。
MRSは全てのモデルが差0で実測ではないな感。
アルパカ エクスペディションとフロンティア系ホワイトウォーター用は-6となり、計算よりも全幅が狭くなりました。
ブルーナイルギア グルカ(セルフベイラー)は全て+5で計算よりも全幅が広くでました。
その辺りを省くと+1から-2の間に収まるので例外と言うことなきがします。
誤差の大きいモデルを見ると内幅の船首側が細くなってる傾向にありました。
内幅は最小位置で、全幅は最大位置でと違う位置で計測してる結果なのかもしれませんね。
誤差の出たモデルは全てホワイトウォーター用であり、ホワイトウォーター用は船首側が細くなるという気付きになりました。
チューブ径と体積
チューブ径を太くするほどに入る空気の量が増えて浮力が上がります。
チューブ径 | 体積 |
25㎝ | 1.00 |
28㎝ | 1.25 |
30㎝ | 1.44 |
33㎝ | 1.74 |
円柱の体積で計算してみました。
チューブ径25cmを1としたときに径28cmなら約1.25倍、径30cmなら約1.44倍、径33cmなら約1.74倍の体積があります。
体積と空気での浮力の関係はわかりませんが、チューブ径が太くなるほど浮力が上がるのは間違いありません。
ただ船首船尾のチューブはさらに太くなっているため、船首船尾の形状(太さ)も浮力に大きく関係してきます。
チューブ径と用途
チューブ径を太い順にすると31cm-33cmは2人用か積載力の高いモデルでした。
また積載重量も200kg越えばかりなことに気付きます。
浮力を求める=チューブ径を太くするで作り分けているわけです。
セルフベイラーモデルでは27-30cm辺りに分布します。
ある程度の浮力が必要な結果でしょう。
逆に25-26cmでは2.5kg以下程度の計量モデルが多くなっていました。
全長と全幅での特徴
市場に流通してるほぼ全てと言える数のパックラフトを数字で比べてわかってきたサイズでの特徴の話。

出典:KAZE STORE
パックラフトのサイズとは全長・横幅(全幅)・内長・内幅の4つで構成されます。
まとめると外径(の長さと幅)と内径(の長さと幅)です。
特殊なモデルを省いて一人用のパックラフトで全長と全幅を見てみます。
最小全長 | 180㎝ |
最長全長 | 289㎝ |
最小全幅 | 81㎝ |
最長全幅 | 97㎝ |
全長は180cmが一番短く、最長で289cmのものまであります。
幅は最小81cmから最大97cmとその差は16cmですが、その16cmが特徴を決めているとも言えます。
他カヤックの長さと幅
カヤックと言えばシーカヤックやホワイトウォーターカヤックやフィッシングカヤックなどもあり、それぞれフィールドに合わせた形状に作られています。
一般的な長さと幅での特徴は
・全長が長いほどに早く、直進安定性が高くなる
・全長が短いほど小回りが利き、障害物を避けやすくなる
・幅が広いほど安定性が上がり、速度が落ちやすくなる
・幅が狭いほど直進時に水の抵抗を受けにくくなり、停止時の安定性が落ちる
という一長一短の特徴があります。
もっと細分化されますが、大きくカヤックを4種類に分けて、それぞれの全長全幅のざっくり範囲を調べてみました。
シーカヤック:全長450-500cm 全幅50-60cm
フィッシングカヤック:全長300-400cm 全幅70-80cm
ホワイトウォーターカヤック:全長200-300cm 全幅60-70cm
パックラフト:全長180-290cm 全幅80-97cm
SUP:全長320-420cm 全幅60-80cm
表に無いSUPも追加しましたがフィッシングカヤックよりもやや長く、幅は同じか少し狭い程度です。
他のカヤックに比べてみると一目瞭然で、パックラフトは短く幅の広い乗り物なことがわかります。
それが示すモノは安定性が非常に高く、小回りが利き、速度は出にくいということ。
+アルファで言うとインフレータブルタイプのため舟自体の浮力が高く、積載力も高いということです。
幅で見ると安定性は立つことができるSUPやフィッシングカヤック以上でパックラフトで沈することの難しさもわかってきます。ただ舟の剛性が違うためパックラフトで立つのは難しいです。
セルフベイラーのサイズ
1人用セルフベイラータイプを全長順で絞り込むと、最小226-275cmになりました。
少し特殊なKOAROやリーコン、ロングサイズのフロンティア275を省くと234-269cmの35cm差に収まります。
ということは234-269cmがセルフベイラーモデルに適した長さであると言えるはず。
短すぎると浮力が得られず、長すぎると小回りが利かないため中間サイズがホワイトウォーター用に適した長さなのでしょう。
全幅は84-97cmと広いレンジ。ただフロンティア WW-255を省くと91-97cmの間でセルフベイラータイプは幅が広めなようです。
チューブ径も27-30cmとやや太めで浮力は高め。
さらにこのモデル達はロッカーが入っていて波や落ち込みに強いホワイトウォーター用に仕上がっています。
オープンデッキのサイズ
一人用のオープンデッキタイプを全長順にしました。
用途が特殊なスピードタイプや積載量特化モデルを省き、初めての1艇として選ばれやすいであろうシンプルなオープンデッキモデルに限定しました。
すると最小180-254cmになり、セルフベイラーに比べ短めな長さになりました。
全長180-219 手段パックラフト
全長の最も短い180cmはブルーナイルギア、フロンティア、グリフォンラフト、ノルティックの4社から出てます。
この辺りのモデルは浮力を落とし直進性や積載能力を求めず、機能は最低限にして軽く小さく最もシンプルに作った“水の上を移動する”のに特化したパックラフトと言えます。
重量も2kg台というパックラフトの中でも最軽量クラスで、もちろん静水用です。
アウトドア脳だと「軽い=良い」になりがちですが、このグレード帯のモデルはパックラフトを目的ではなく手段として見たラインナップだと思います。
グリフォンラフト エクスプローラは
乗って楽しむだけじゃない、道具としてのパックラフトを開拓してください。
引用元:元気商會
と言ってますし
ロングトレイル上の川や湖のトラバースで創造的なルートを開拓したり、渓流の美しい淵を散策したり、キャンプでちょっと子供と水遊び・・・などなど。
小さいながら、アイデア次第で沢山の景色を見せてくれること間違いなし!
引用元:BLUENILE GEAR
ブルーナイルギアもトラバースや開拓といった長距離移動ではなく、重たいカヤックではできない軽さと携行性を活かした使い方を提唱されるのがこの全長180-219cmだと読み取れます。
登山途中の湖やトレイル中の川の突破を目的にパックラフトの購入を目指すならターゲットとなるわけです。
ただKOKOPELLI XPD(6.3kg)はちょっと特殊モデルですね。
元祖パックラフトブランドなだけにアルパカラフトは全長を削りすぎずに圧倒的な軽さに仕上げています。
Scout(1580g)とGhost(1020g)は全パックラフトの中でも最軽量モデルです。
オープンデッキ220-250 スタンダードパックラフト
より長いオープンデッキタイプは全長220-254cm。
といってもスピードタイプほどは長くないスタンダード静水モデルです。
フロンティア、MRS、アルパカといった種類の多いブランドはこの全長帯に長いモノと短いモノの2種類を展開してます。
フロンティアで言えばCW-220(全長220cm)とCW-250(全長250cm)。
MRSで言えばTulo(全長223cm)とPonto(全長254cm)のようにです。
身長や乗せる荷物の量などで好みで選べるサイズ展開だと思います。
短いほど軽く小回りが利き、長いほど直進性が上がりやや流水に強くなるようです。
この長いオープンデッキタイプでもホワイトウォーター用のセルフベイラーモデル(234-269cm)よりは短くなっています。
さらに船底はロッカーでは無く、フラットなモノが多いためオープンデッキはホワイトウォーターに対して弱い理由のかなと思えます。
ただ適してなくてもパックラフトは空気の塊で高い浮力があるので、よほどの激流でも無ければなんとかなるんですけどね。
全長/全幅比
スプレッドシートで表を作ると1ブランドでは意味のない数値に意味が出てきます。と思ってます。
例えば、全長を全幅で割ってパーセントで出す全長全幅比です。
この比率は%が低いほどに丸い形状で、高いほどに細長い形状になります。
全長全幅比を低い順に並べると最低は197%でノルティック ライトラフト。
230%↓あたりを見ると全長の短い180-219cmで出てきたパックラフトがそろってることに気付きます。
手段として使いたい軽量で推進力の低いモデルが全長全幅比の低い場所にあって納得できます。
比率の高い順に並べ替えました。
最大367%です。めちゃくちゃ長いというわけです。
雑な計算をすると長367×幅100で367%です。197%は197×100だったのでほぼ同じ幅で倍近い長さがあるわけです。
305-367%ではセルフベイラーがなく、スプレーデッキタイプが増えてます。
スピードタイプはスプレーデッキタイプが多いというわけです。水しぶきを浴びやすいということなのでしょうかね。
全パックラフトでの全長全幅比は197-367%でした。
さらにセルフベイラーに絞って全長全幅比を見てみます。
すると243-304%と中央値に寄ってきました。全長226-255cm辺りがメインです。
長すぎても小回りが利かないし、短すぎても安定せず浮力が足りない、そんなホワイトウォーター専用なセルフベイラーの特徴が見えてきた気がしました。
外面積と内面積
これまた新概念。
外面積と内面積です。
長さと幅を掛けた面積で、長方形の面積で計算しているため実際の数値とはかなりズレますが、すべてを計算すればズレたままで差がわかるため一定の意味はあると思います。
長さと幅とは微妙に違うどちらも合わせた性能がわかるのではないかと思っています。
最小 | 最大 | |
外面積 | 1.49㎡ | 2.95㎡ |
内面積 | 0.35㎡ | 0.61㎡ |
1.5人用、2人用は必然的に面積が大きくなるため省いた一人用のみに絞り込んだときの外内面積での最大最小です。
外面積は1.49-2.95㎡。
小さいほど持ち運びやすく、小回りが利きやすい、はず。
大きいほど安定性が上がり、水の抵抗も増えるはず、ただ長くて細くても大きくなるため一概には言えません。
内面積は0.35-0.61㎡。
居住性の高さに繋がります。
外面積狭い順。
やはり最軽量や最短全長のパックラフトが多いですね。
ポーテージしやすく、狭い川を攻めやすいため大きなフィールドよりもアドベンチャーな秘境に適した形状のようです。
ここモデルは内面積も狭めで比例してるようです。
外面積の広い順。
2.95㎡のレンジャーは積載力特化モデルなので安定性が高い必要があり納得です。
セルフベイラーモデルが多いのは幅と長さのどちらもある程度必要だからです。
それにしてもフロンティアWW-275はかなり長いモデルながら幅も広めです。
逆に速度重視タイプのMRS NomadS1は2.40㎡とセルフベイラーモデルよりも面積ではやや小さめ。
内面積の広い順。
レンジャーのみ外内面積トップですが、他は外面積と比例するわけではありません
セルフベイラーモデルにオープンデッキモデルも増えてきた印象です。
ココペリが外面積に対して内面積が広く設定されてるのがやや不思議。全長全幅で見ると長さに対して幅が広めです。
安定性は高そうですが走行性能は低そうですね。
まとめ
さて、後半ぐだってきてまとめることもできませんでした。
メーカー間で比較することでその道具のスタンダードが見えてくる!と思ってまして。
相対的な視点でそのカテゴリの製品を見ることで平均がわかってきます。
2500gのパックラフトは軽いとか、全長270cmのパックラフトは長いとか、66000円のパックラフトは安いとか、全長全幅比300%は直進性に優れてるってことがわかりました。
同じブランド内では無く、業界全体を見ることで立体的な知識が身に付くと思ってます。それが忖度の無いレビューになるのかなとも思います。
とまあそれっぽく言ってはみましたが数字で比べることが好きなのです。
同時に数字に隠れて見えてこないモノもたくさんある事実は知っておかなければならないのです。




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