【読者質問】AS WINGS2は登山とキャンプで使う初めてのテントにどうでしょう?

MOBIGARDEN ASWINGS 2 読者質問

こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!

桜が散り、暖かくなってアウトドア欲が増してきます。

新規参入者が多いこの時期はアウトドアショップも大繁盛。

テントや寝袋といった大物はしっかり吟味して購入される方が多く、ネットで調べ、お店で実物を見てもまだ悩みます。

巡り巡ってこんなド田舎のブログにも道具選びを相談に来る人がいても、なんら不思議ではありません。

というわけでまさかの読者質問2回目です。

今回はテント泊登山とバックパックキャンプで使う初めてのソロテントにMOBIGARDENのAS WINGS2を考えてるんですがどうでしょうか?という質問に答えていきます。

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読者質問

かなり濃ゆい内容のコメント欄で終わらせるにはもったいない質問を読者様に頂いたときに、まとめて記事にしちゃおっか!とシリーズ化した【読者質問】

シリーズ化とカッコを付けても、そもそもコメントがほとんど来ないこのブログ。読者ありきのシリーズが続くとは思えず、1回で終わるだろうと思っていました。

それがまさかのこの短期間で2回目。

前回の記事を読んだうえで質問して頂けているようで「うわあめちゃくちゃ嬉しい!」と思ってしました。ではさっそく行ってみよう第2回読者質問!

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Q.AS WINGS2は登山とキャンプで使う初めてのテントにどうでしょう?

実際のコメントを引用しつつ、補足しながら話をまとめていきます。

吹き出しで囲ってる文章はコメント欄の原文ままです。

読者様Q①

読者様
読者様

はじめまして。関東在住の読者です。いつも楽しく記事を拝見しております。

MOBI GARDENのテントについて質問があります。

MOBI GARDENのAS WINGS2が気になっているのですが、あまり実例レビューなどの情報がありません。

Twitterなどでいくつかは見つけたのですが、LIGHT KNIGHTやLIGHT WINGS、またはCOLD MOUNTAINの情報が多いです。

これはAS WINGS2のスペック的に、登山目的とキャンプ目的の方それぞれにとって中途半端に感じるからなのでしょうか?

AS WINGS2が最も新しく発売されたということを差し引いてもレビューが少ないなぁと思いまして、キャンプ・登山上級者の方に意見を伺えればと思い質問させていただきました。

ちなみに私はこれからソロキャンプや登山を初めようと考えているレベルです。

3シーズン使えるバックパックで運べる軽量なテントを探している中でMOBI GARDENに心惹かれた次第です。

ご多忙のところ急な質問で申し訳ありませんが、ご回答いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

という質問が届きました。

・関東の方

・3シーズンのテント泊登山とバックパックキャンプを始めるのに使う初めての軽量なテントを探してる

・MOBIGARDENのASWINGS2が気になってるがレビューや口コミが少ないのが心配

実際のとこのテントはどうなんだろう?という感じですね。

登山キャンプ共にバックパックでの移動を想定しているようで、どちらでも使える軽量なテントを探してるという話。

MOBIGARDEN/AS WINGS2(モビガーデン アスウィングスツー)

mobigarden テント一覧表

約2.45MBの大きな画像で見る

ネイチャーハイクに続き中国からやってきたMOBIGARDEN(モビガーデン)。現状日本でのラインナップは表の12種類です。

モビガーデンの半アンバサダー的な立ち位置にいることを自称しており、LIGHT WINGS DAC UL1をお借りしたあと買い上げて愛用しています。

 

名前 AS WINGS 2 AS WINGS 2G
レッド×ホワイト スカイブルー
自立 自立 自立
最小重量 1610g 2050g
総重量 1730g 2190g
インナーサイズ 210×135cm 210×135cm
前室サイズ 210×60cm(前後) 210×60cm(前後)
フライシート 20Dリップストップナイロン
シリコンコーティング(3000mm防水)
63D185Tポリエステル
(3000mm防水)
インナーテント 高密度ナイロンメッシュ 高密度ナイロンメッシュ
ボトム 20Dリップストップナイロン
シリコンコーティング(4000mm防水)
150Dオックスフォード
(4000mm防水)
ポール A7001アルミ合金 A7001アルミ合金
金額 ¥19,800 ¥15,800

モビガーデンの中でも一番新しいアスウィングス2(アズウィングス?)が気になっているという読者様。

フライ、インナーテント生地の違いで2種類ありますが、より軽量(1610g)な赤いアスウィングスがよりハイスペックで、こちらをベースに見て行きます。

テント泊登山、バックパックキャンプ用という観点でこのテントはどういう立ち位置で評価をできるのか回答しました。

ぜつえんの回答⓪AS WINGS2を山で使う上でのイメージ

ぜつえん
ぜつえん

僕も使ったことはないので、細部はわかりませんが一般的な話をさせていただきますね。

まず結論から。

「1.6kgはやや重めですがバックパックキャンプや登山でも十分使用可能。風には弱く、設営スペースを取るため北アルプスでは不安なシーンもあるかも。重さを許容できるならキャンプではかなりおすすめ。キャンプより登山泊用途が増えるなら不満が出てきて、別のテントを追加することを考え出すと思う。AS WINGS1を選択肢に入れてもいいかも。」という感じです。

長いのでまずは結論から言うようにしてます。

個人的にこのテントで悩むであろうポイントは2つ。

・やや重い重量

・耐風性

ASWINGS2は最小1610g(総重量1730g)で、決して軽いとは言えません。が重いかと言われればそうでもなく、登山でもキャンプでも十分使用可能な重さです。

そして耐風性。登山で使うと考えた時にある程度は考えたい要素ですが、夏山で自立式ならまあどうでもいいかなとも思いますが、一応覚えてはおくべきかと伝えることに。

さらにその結論の理由を細かく書いていきます。

耐風性

ぜつえん
ぜつえん

レビューの少なさは発売からあまり経ってないのと知名度の低さもあるのかなと。

ただおっしゃる通り、重量が重めで、耐風性の低い横出入りのダブルYポール構造で登山には中途半端な性能に感じますね。

軽いテントが多くある最近ではあまり勧められないテント、という感じです。

北アルプスの蝶ヶ岳や槍ヶ岳など稜線のテン場では耐風性的にやや不安があります。土日祝は混みやすいのでサイズが大きいと張り場に困ることもあるかもしれません。

奥多摩秩父辺りの山域なら耐風性での不安は少ないでしょう。

またメッシュインナーなのも登山用途では避けられがちな傾向があります。

そのため形状、重量で見ればLIGHT KNIGHT1か2がより登山向きで、登山メインならそちらをオススメします。

AS WINGS2は居住性を重視したモデルであり、軽量性とはトレードオフで目的の違いによるモノです。広いと設営後は雨でも快適に過ごせます。

読者様が心配していたレビューの少なさは発売からあまり時間が立っていないのと、尖った魅力のあるテントではないからかなと思います。悪く言えば中途半端。

 

The Free Spirits パンゴリン 2.0

ポールの構造がダブルY(双Y)+リッジポールの形状で、軽量性と居住性を両立できる構造ながら風にやや弱い特徴があります。

登山用途で考えるとその耐風性の低さが心配なシーンもあります。とはいっても多少の強風なら問題ありません。テントですから。

関東の方ということでテント泊登山の宿泊地候補として上がりやすいであろう、奥秩父と北アルプスを具体例に挙げてみました。

 

富士見平小屋 テント場

瑞牆山・金峰山のアクセス口である富士見平小屋のテント場

奥秩父で言えばの雲取山荘や富士見平小屋は森に囲まれていて風で悩むことも少ない場所です。

実際、無積雪期のテン場なら強風でテントが潰れるようなことは稀ですし、多くの人はそんな天気の日に登山は行かないでしょう。

困るとすれば安定して風の強くなりやすい北アルプスなどの森林限界の稜線のテン場に張った時くらい。

 

蝶ヶ岳のテント場

北アルプス蝶ヶ岳ヒュッテのテント場

稜線のテント場といえば、蝶ヶ岳や槍ヶ岳のテン場などですね。

それでもテントが壊れるような強風は多くありません。

それでもあえて耐風性の低さを伝えたのは、ASWINGS2しか持ってない人が稜線のテン場に行く予定を立て、その日が強風っぽい予報になった時に他のテントを選ぶことができず、強行した時にトラブルが起こり得るから、という理由です。

もちろん、天気を見て、天気が悪いから登山をキャンセルできるなら問題はありませんが、初心者ほど悪天候をイメージしにくく、予定に忠実で強行しがちです。

それが“山岳テント”として国産のモンベルステラリッジ、プロモンテVL、ファイントラックカミナドーム辺りを無難にオススメされる理由だったりします。ややオーバースペックさのあるテントですが、どんな天気でもおおよそ問題が起こらないまず外れることのないテントだから。と思ってますぼくは。

軽量性とテントサイズ

ぜつえん
ぜつえん

最近では1kg前半のテントも多くて、それに比べるとAS WINGS2(赤)の1.6kgは比較的重めです。合せて収納サイズも大きくなり、バックパックサイズも大きくなりやすいです。

交通期間での移動でもやや不利な点です。

テント泊装備を持って歩くのは体力の無い初心者ほど辛く、体力を補うために荷物を軽量化するという考え方が一般的です。

登山口からテン場までが近いならあまり関係ありませんが、距離と標高があるほど軽い恩恵は大きくなります。

とはいえ重量的には1.6kgは少し重い程度で神経質になるほど重くもなく許容範囲ではあります。
個人的にはソロキャンプがメインでたまにテント泊登山で使うなら十分アリだと思います。

もし今後、テント泊登山の頻度が増えてくるなら重さ、耐風性などで不満は出てくるとテントです。
その時にAS WINGS2をキャンプ用に、別に山岳テントを買うという選択なら使わなくなることもないかなと思います。

選択肢としてAS WINGS1やLIGHT WINGS DAC2を入れるのもアリだと思います。狭くなりますが軽くなります。

長くなりましたが、こんな感じに思いました。

体力が無かったり、重い荷物に不安があればより軽いテントを勧めたいとこ。

ある程度体力があるならAS WINGS2で問題は無いと思います。

補足もあまり無いコメント内容ではありますね。

このコメントへ返信をした時点ではASWINGS2の1.6kgが軽量とは言えないラインな認識でした。ただ山岳テント全体を調べて比べたうえでの返事ではなかったため、他と比べてどの程度重いテントかまではわかってませんでした。調べた比較はもう少しあとでします。

大前提として、日帰り登山に比べてただでさえ必要な荷物が増えて、重くなりやすいテント泊登山。その中でも削りようのないテントが重いと総じて荷物が重くなります。

特に初心者ほど重い荷物を背負うことに慣れてなく、体もできていないためより辛く感じやすいと思います。テント泊登山が辛い>楽しいになってしまう危険があります。

それが重いテントよりも軽いテントが良い理由。

 

テントサイズの目安

そしてテントサイズ。

昔から「テントを選ぶときは使う人数+1人用で選べ」と言います。

1人で使うなら2人用テントを、2人で使うなら3人用テントを選べと、そういうことです。

1人で使うにしてもテント内に荷物を置くとそれなりにスペースを使うため、2人用がオススメだよという格言です。

テントの使用人数の決め方に正確なルールはありませんが、インナーテントのサイズからおおよそ全ブランド近いサイズ感に集束します。

長方形で全長はおおよそ205~220cmほどですが、インナーテントの幅で適正人数を知ることができます。

目安としては

1人用 90-100㎝
2人用 120-135㎝
3人用 180-190㎝

誤差はあれど大体この辺り。

大きいほうが快適になりますが、そのぶん重くなり、バックパックに入れて移動する登山やキャンプでは欠点にもなっていきます。

そのため特に登山では1人用か2人用か悩むんですね。

それを踏まえて、2人用じゃなくて1人用を選択肢に入れてもいいかなと伝えました。

いま返答を読み返すと「ASWINGS2重いぞ、辛いぞ、どうせ買い替えるぞ」みたいなでちょっと感じの悪い回答内容だったなと反省。

記事執筆現在の感想としては、ASWINGS2が重いのはたしかですが、初めてのテントと見ればいい選択肢であると思ってます。

ASWINGS2で重い、広すぎたと思うならもっと軽いテントを追加すればいいのですが、逆の選択肢を人に勧めるのはやや違う気がしました。

初めてのテント選びなら2人用→1人用の過程で進むほうが間違いなく、いきなり1人用は合わない時のリスクが大きいです。

それに初めてのテントなら狭くて居住性微妙で軽いよりも、快適で少し重いほうが良いと思います。

読者様Q②

読者様
読者様

ソロキャンプ 7~8:登山 2~3 くらいの利用を考えていましたのでAS WINGS2の居住性と長辺出入口というのを重視していたのですが、この先登山の回数が増える可能性を考えると1人用テント、もしくはLIGHT KNIGHT2などのほうが恩恵を感じやすい気がします。参考になります。

お言葉に甘えて追加で質問させていただいてもよろしいでしょうか。

読者様→ぜつえん→読者様と質問2週目。

薄々気付いてましたが、すごい読みやすい丁寧な文章を書く読者様でブロガーが自分の文章力の低さに気付くレベル。

読者様のテント用途は全体的にキャンプが多い模様。しかしバックパックキャンプとのことなので、軽いほうが楽なのは事実。

追加で質問を3つ頂きました。

①居住性について

②LIGHT KNIGHT JPNのこと

③テントは用途で使い分けるのか?

それぞれ回答していきます。

ぜつえんの回答①居住性と選び方

読者様
読者様

①居住性について。

上のぜつえん様の記事に居住性について詳細に書いてありますが、キャンプや登山に慣れてくるとあまり広さは必要ではなくなってくるのでしょうか?

個人の好みや目的次第なところだと思うので何とも言えない部分だとは思いますが、ぜつえん様の場合どうだったかを教えていただけますと幸いです。

ぜつえん
ぜつえん

①居住性は慣れるほどに狭いテントでも使えるようになるという認識で間違いありません。

テント内での道具の管理と狭い空間で寝ることに慣れてくることからかと思います。

ぼくは二人用サイズ使うことが多いですが、年々広さを持て余すようになってきてます。

逆に一人用だとやや狭い感じですが困ることよりも軽い恩恵がありがたいです。居住性よりも重さ重視という思考になっている気がします。

身長とバックサイズでの影響も大きくて、175cm以上あるなら広めがおすすめです。

バッグは明確なラインはありませんが、50L以上になってくると一人用テントだと狭く、不便に感じると思います。

そのため初めてなら二人用サイズが選びやすく不便がないと思います。

補足する必要のないような完璧な回答ですね。

慣れるほどテントに広さが必要無くなるのが間違いない、とか言ってますが、あくまで個人差はあります。

ただテントの使い方や道具の管理に慣れるほどに小さいサイズのテントでも使いこなせるようになるのは事実でしょう。

ぼくで言うと2人用幅120~130cmのテントだとスペースをかなり持て余す。1人用90cm幅だとやや狭く感じる程度に感じています。

 

またテントサイズは使用人数+1と言われていたのは少し昔の話で、テント泊をするなら50~60Lと言われてたのも少し昔の話です。

年々道具の軽量化、コンパクト化が進み、テント泊時のバックパックのサイズは減少傾向にあると思います。

それを踏まえていうなら50L以下のバックパックで使うならなら1人用テントでも狭すぎると感じることは少ないのではと思います。

逆に50L以上のバックパックで使うなら1人用テントだと窮屈さがかなり強いと思います。

後は結局好みでぼくは2人用テントを好んで使う傾向があります。

ぜつえんの回答②LIGHT KNIGHT JPNの通気性

読者様
読者様

②LIGHT KNIGHTのJPNバージョンが発売されていますが、インナーテントがメッシュ素材から10Dナイロンになったことは利用する上でかなり大きい影響があるのでしょうか?

また、足元にベンチレーションを追加と記載してあるのですが、これも上部のみのベンチレーションと違いはあるのでしょうか?

メッシュとナイロンについてはぜつえん様の読者質問の記事に詳細に書いてあったのでそれを読んで自分で判断しろ、というところだと思いますが、何かしら意見をいただけますと幸いです。

ぜつえん
ぜつえん

②LIGHT KNIGHT JPNバージョンは日本山岳向けの保温性と風を通りにくくしたモデルですね。

ベンチレーションはメッシュだとそのままで通気性があって必要なかったものが、ナイロン地で通気性を出すために付けたもののようです。外側のフライには旧バージョンからベンチ機構付いてます。

なのでメッシュにはあった通気性、換気力をつけるためということで、上部全面がベンチ効果のあるメッシュより通気性は低めですね。

ナイロン生地は789月以外の2000m上で使ったときに保温力としてメリットはあると思います。

ただ読者質問記事でも書いたかもしれませんが、無積雪の暖かい時期メインでしたらメッシュのほうが有り難いと感じるはずです。本州なら特に。

ほぼ山用や冬もガッツリ使う人でないなら、ぼくはメッシュを勧めます。

MOBI GARDEN(モビガーデン)LIGHT KNIGHT 2JPN (ライトナイト2JPN) 3年長期保証
MOBI GARDEN

ちょっとASWINGS2から脱線して、LIGHT KNIGHTに。

一番最初に登場したMOBIGARDENを代表するテントで、山岳用途で使うこともできる安価なテントという立ち位置で、最近日本用に非メッシュインナーを採用したJPNが登場して、そのモデルへの質問ですね。

すごいしっかりと下調べてる読者様だなと思う質問内容で感動します。

LIGHT KNIGHTは短辺出入口、やや軽量でASWINGS2より山岳用途に向いたテントだと思います。

性能的にMOBIGARDENから選ぶなら真っ先に選択肢に上がるテントでしょう。

JPNモデルでの変更点は、前面非メッシュ+インナー吊り下げポイント減少+ポール見直し+足元ベンチ追加の3点です。

 

画像出典:MOBI GARDEN

質問は、足元に追加されたベンチレーションはどういう役割を持つのか非メッシュ(10Dナイロン)とメッシュインナーがどうなのかということ。

足元ベンチレーション追加は回答通りで、メッシュインナー→非メッシュインナーになって通気性が落ちたので、通気性を上げるため足元にメッシュのベンチレーションを追加したというだけ。

足元にベンチを追加しようが、全面メッシュの通気性には及びません。メッシュに保温力にはないため、メッシュか非メッシュかという話です。

通気性で見ればメッシュインナー、保温力で見れば非メッシュインナーです。

非メッシュ、メッシュの保温力に関しては読者様も仰る通り前質問記事で書きました。

ぜつえん
ぜつえん

ソロキャンプがメイン+たまの夏テント泊登山で暖かい時期が多そう。ならば寒い時期よりも暖かい時期に向いたメッシュが良いだろうというわけです。

それに極端な話、厳冬期冬山でメッシュでも行けますし、インナーテントで悩むよりも防寒着を増したほうが有意義です。

個人的にはこれが全てかなと思ってます。

無積雪期で、よほど寒いのが怖い、人以外は登山用途でもメッシュで良いと思います。

春秋の登山にメッシュインナーだと冷気が入り込んで寒いことや、バーナーを使っても温まりにくく寒い事もありますが、防寒着や寝袋のグレードを上げれば対応できるモノです。

メイン用途が暖かい時期なら非メッシュよりもメッシュインナーが快適だと思います。

ぜつえんの回答③用途でテントは使い分けるか

読者様
読者様

③キャンプと登山で同じテントを使おうと考えていましたが、目的によってテントを分けたくなるものでしょうか?

回数を重ねるほど、登山ではより軽量なもの、キャンプでは居住性重視、のようになりそうなのかなと思ったので質問させていただきました。

ぜつえん
ぜつえん

③キャンプや登山の回数が増えて、用途に適したテントが分かってくると欲しくなるし、使い分けたくなりますね。

最近のぼくだとMOBI LIGHT WINGS DACは夏山限定で、冬はTFStentのPANGOLIN PRO、キャンプならTFStentのSTARS2やGEMINIを使うことが多いです。

特にキャンプで短辺出入口のテントを使う気がしないと思ってたりもします。

好んで自立式ダブルウォールを使っていますが、軽量化するなら非自立式やシングルウォールテントもありです。

ただAS WINGS2は登山で十分使える程度の重さで、キャンプで快適に過ごせる居住性もあり、何に使うにもバランスは良いと思います。

そして性能はもちろんですが、自分の長辺出入口、居住性を重要だと思った気持ちを大事にするべきだとも思います。買って後悔したときに人に言われてと、自分で考えて、では大きく違います。

あとデザイン性も大事です。

AS WINGS2はぼくも惹かれたデザインなので、そこに魅力を感じてたら他に代替えはありません。

回答ではずいぶんテントを使い分けてるベテラン感出しててうざったいですが、冷静に考えるとテントは多くても2つあれば十分な気がします。

ぼくが2つに絞るなら山岳用の軽量モデル+キャンプ用の居住性高いモデルです。

もし1つ持つならASWINGS2みたいな、2人用サイズの山岳用テントだと思います。

ただ2人用テントの中でもASWINGS2は少し重めで、それが気になって買い替えたくなるかもーという雰囲気の返答をしてしまいました。

最後は自分が良いと思ったテントが良い、デザインも大事とここまでの話を台無しにするまとめ方になってしまうのはテントあるある。

下調べをしっかりされてる読者様が居住性+長辺出入口に魅力を感じられているようで、その意志は大事。そういう意味で言えばASWINGS2は初めて選ぶのに良いテントかなと、そう思います。

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昨今のテント事情

ここまではコメントのQ&Aと補足でした。長かったですね。

ここから後半戦でコメント欄の範囲を超えて検証した写真での解説です。

まずは昨今の山岳テント事情から考えて、ASWINGS2の1610gがイメージでの「重そう」ではなく、似たテント達と比較してどういう位置にいるかを判断します。

ブランド 製品名 テント画像 最小重量 総重量 室内長 室内幅 室内高 床面積
(長×幅)
BIG AGNES タイガーウォールUL2
ソリューションダイ
992g 1130g 218㎝ 132-
107㎝
99㎝ 2.61㎡
THE
FREE SPIRITS
PANGOLIN PRO 1110g 1280g 210㎝ 130㎝ 108㎝ 2.73㎡
NEMO タニ2P 1180g 220㎝ 130㎝ 104㎝ 2.86㎡
BIG AGNES コッパースプール
HVUL2
1220g 1420g 224㎝ 132-
107㎝
102㎝ 2.68㎡
mont-bell ステラリッジ2 1230g 1430g 210㎝ 130㎝ 105㎝ 2.73㎡
PUROMONTE VL-27 1300g 1490g 205㎝ 120㎝ 100㎝ 2.46㎡
finetrack カミナドーム2 1310g 1460g 212㎝ 130㎝ 105㎝ 2.76㎡
THE
NORTH FACE
マウンテンショット2 1360g 1590g 230㎝ 120㎝ 105㎝ 2.76㎡
THE
FREE SPIRITS
GEMINI 1400g 1590g 220㎝ 130㎝ 105㎝ 2.86㎡
MOBI GARDEN LIGHT KNIGHT UL2 1480g 1650g 210㎝ 130㎝ 105㎝ 2.73㎡
NEMO ダガーストーム2P 1510g 229㎝ 127㎝ 106㎝ 2.91㎡
アライテント エアライズ2 1550g 210㎝ 130㎝ 105㎝ 2.73㎡
mont-bell ルナドーム2 1580g 1790g 210㎝ 130㎝ 110㎝ 2.73㎡
MSR ハバハバNX 1600g 1760g 213㎝ 127㎝ 100㎝ 2.71㎡
MOBI GARDEN AS WINGS2 1610g 1730g 210㎝ 135㎝ 105㎝ 2.84㎡

・表を大きな画像で見る

ダブルウォール+自立式+2人用の似たテントを15個をピックアップ。

最小重量(フライ+インナー+ポール)の軽い順に並べています。

ただし、ポール構造は異なるため完全に同列での比較とも言えませんが、似たジャンルのテントです。

ASWINGS2 順位
最小重量(1610g) 15/15
総重量(1730g) 13/15
室内幅(135㎝) 1/15
床面積(2.84㎡) 4/15

ASWINGS2は最小重量が一番重いという結果に。

近いモデルで言うならモンベルルナドーム(1580g)やMSRハバハバNX(1600g)です。

最小重量992g~1610gまでの15モデルの平均値は1362gです。その+250gで比較的重めと考えて間違いないでしょう。

多くが120~130cmという室内幅の中、幅135cmは全モデルで一番広く、室内長×室内幅で計算する床面積も4位。

独断と偏見で選んだ15モデルの中で性能見てASWINGS2にキャッチコピーを付けるなら

「圧倒的居住性が魅力。登山でも十分使える重量だがやや重め。その広い居住性はソロキャンプは快適に、2人で泊まることも十分可能だ。」

といった感じです。

ソロテント300個以上比較してる記事もどうぞ。

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テントのサイズ感

テントのサイズ感てどんな感じ?を実際にテントを設営して見てみます。

比較テント

手持ちの2人用と1人用テントでサイズを比較します。まずはテントを紹介。

2人用テント

ASWINGS2は持っていないので似たサイズのザフリースピリッツGEMINIを用意しました。

室内長が10cm長く、幅が5cm短いですが、まあ似た感じのテントでしょう。

2人用テントの中でも広めなテントです。

ブランド MOBI GARDEN THE FREE SPIRITS
製品名 AS WINGS2 GEMINI
テント画像
最小重量 1610g 1400g
総重量 1730g 1590g
室内長 210㎝ 220㎝
室内幅 135㎝ 130㎝
室内高 105㎝ 105㎝
床面積
(長×幅)
2.84㎡ 2.86㎡

1人用テント

一人用テントにはMOBIGARDEN LIGHT WINGS DAC UL1を。

インナーテント幅は頭側105cm、足元が65cmの台形型。

台形でサイズ感をイメージしにくいですが、室内長205cm 室内幅85cmのテントの床面積が1.74㎡になるためそのサイズのテントとほぼ同じ広さという見方ができます。

ASWINGS1は室内長205cm 室内幅85cmの床面積1.85㎡なのでライトウィングスよりも少し広め、という認識ですが誤差程度。

ブランド MOBI GARDEN MOBI GARDEN
製品名 AS WINGS 1 LIGHT WINGS DAC UL1
テント画像
最小重量 1150g 1090g
総重量 1275g 1215g
室内長 205㎝ 205㎝
室内幅 90㎠ 105-65㎝
室内高 100㎝ 95㎝
床面積
(長×幅)
1.85㎡ 1.74㎡

GEMINI

THE FREE SPIRITS GEMINI

GEMINI(ジェミニ)。

Xポール+リッジポールで最近お気に入りのテント。

ジェミニのリッジポールは居住性を上げる効果の少ない残念使用ですが、一般的に長辺側の側面を垂直に広げる役割を持ちます。

また、前室に高さを出し広げる役割も果たしてくれる居住性の良し悪しを左右する1本です。

ただポール分重くなり、設営の手順も増えるのは欠点。

先ほど床面積で比べる表を作りましたが、リッジポールがある居住性はスペックには表れません。

リッジポールがあるテントの居住性は床面積+上部の広さ=容積で表れるからです。

そのため同じ床面積のテントでもリッジポールの有無で居住性は大きく異なるのです。

 

THE FREE SPIRITS GEMINI

入口側に余裕を持たせてマットと寝袋を配置、奥に小物をキレイに整列させる、という配置にしました。実際にぼくが泊まる時も似た置き方です。

奥側左端の赤いのがEXPEDのバックパック ブラックアイス45L

 

THE FREE SPIRITS GEMINI

テント内足元側から。

頻繁に使うサコッシュや保温ボトルは入口と寝袋の間におくスペースをとってます。

道具を並べてますが、それでもかなりスペースに余裕があります。

寝てる間に体にモノが当たる心配もないでしょう。

並べて写真を撮ってて「広すぎる!!」と感じるほど。

 

THE FREE SPIRITS GEMINI

足元。

入口と値段の間にスペースを取ってますが、置くものがないほど。

テントの床が見えてるからか、すごい余裕を感じます。

この程度の荷物量なら2人用テントの必要は無いかもなと思います。

 

THE FREE SPIRITS GEMINI

道具を置いてる側。

スタッフバッグに入れてまとめていますが、テントにいる時間が長くなると小物が荒れてきます。それでもキレイにまとめる必要もないであろう広さ。

 

THE FREE SPIRITS GEMINI

入ってみた。

広い。目に見えて広い。

頭がどこにもあたってないし、高さも余裕がある。ジェミニ広すぎるっ!

ASWINGS2はもっと広いというわけで、もう家。

 

THE FREE SPIRITS GEMINI

テントの広さは床面積や容積で数値化できますが、体感でのテントの広さは目線の高さ(床から約80cm)の広さと言われます。

つまりはリッジポールを使ったような上部を広げたテントは床面積が広いだけのテント以上に広さを感じやすく、快適と感じやすい特徴があります。

明確さに欠ける“テントの居住性”を求めるなら床面積だけでなく、側面の立ち上がり、ポール構造による上部の広さを意識するといいでしょう。

 

リッジポールのあるテントの断面

テントの短辺側から見た図で、赤いのはポールです。

同じ床面積でもダブルYに比べ、ダブルY+リッジポールのあるテントだと側面が広がるのをイメージしてもらいたい図です。お願いします。
極端ですが、ダブルYでは三角形、ダブルYリッジなら五角形のような側面になるためテントの容積が広くなり、目線の高さが広くなります。という図。

LIGHT WINGS DAC UL1

LIGHT WINGS DAC UL1

続いて1人用のライトウィングスDACUL1。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

テントの外から。

頭の向きが入口から見てジェミニは右でしたが、ライトウィングスは左に変わりました。

テント内に置いてるものはジェミニと全く同じ。そこで広さの違いを感じてもらいたい。

外から見ただけで狭そうなのがわかります。狭と写真を撮る角度も限られます。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

真上から。

入口側にマットと寝袋。枕の横にサコッシュとボトルを詰め込みました。

テントの床がほとんど見えないことで、ジェミニが余裕があって、ライトウィングスに余裕がないのが分かると思います。

頭側が105cmと広くなっているためマットの横にバックパックを置くことができます。

ただ45Lでギリギリ肩がぶつかるくらい。50L以上で平置きすると体の接触は避けられないでしょう。一人用テントの多くは幅90~100cmでこれと同じかもっと狭いため、ザック置き場は悩みどこです。

邪魔なので立てかけたり、前室に置く人は多いでしょう。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

中身を全部出して足元にバックパックを置いて、マット代わりにするというのも手です。

フレームやウェストベルトがごついほど不快感がでますが、マットの長さを削ることもできるためテントで寝慣れてればアリです。

ぼくは夏にこのテントを使う時は100~120cmのマットで足元にバックパックを置くことが多いです。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

足を延ばした状態。

足元幅は65cmと狭いだけでなく高さも無いため、本当に狭い。

マットと寝袋を置けば横には細いスタッフバッグ位しか置くことができません。

ジェミニでは横向きに置けてたスタッフバッグが縦向きでしか置けてないのも狭さがわかります。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

足側から頭側を見た。

入口を全開にしてるので解放感がありますが、入口を締めれば肩が両側に触れるか触れないかのギリギリです。

インナーテントの側面に当たってもストレスは少ないですが、雨の日なら寝袋が濡れる要因にもつながります。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

ジェミニでは重なることなく並べることができましたが、

ライトウィングスではザックの上にほとんどの道具を置かなければならない状態。

1人用と2人用テントの目に見える違いはこのテント内で道具が重なるかどうか、な気がします。

家でもそうですが、重なれば小物は無くなりますし、テント内でモノを広げて管理するのが難しくなります。

この辺りに慣れ要素が強く、テントに慣れるほど狭いテントでも問題が無くなる、という認識に繋がります。

あとは身体がモノに触れたままでも寝れる、だから狭いテントでもいい、というのもあるでしょう。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

座る。

頂点は高く思ったほど狭くは見えませんね。

ちょっと動けば頭が側面に辺りはしますが、インナー生地なので蚊帳みたいな感じでストレスにはなりません。

 

LIGHT WINGS DAC UL1

体感での広さを決めるという目線の広さ。これが極端に狭い

両側の壁が押し寄せてきてるような感覚を覚えます。

ちなみにリッジポール無し1人用テントの目線の広さ、ポール構造による部分も大きいです。

ライトウィングスはダブルY型というポール構造で、軽量性に優れますが、中心部分が狭い特徴があります。ASWINGS1やLIGHT KNIGHTも同じ構造ですね。

これがX型になると1人用でリッジポールが無くてもやや広く感じられます。

モンベルステラリッジやプロモンテVL、ニーモタニなどです。耐風性も高い構造で山岳テントでは採用しているモデルが多い構造です。

結論

テントの居住性

コメントへの返信である程度完結していた内容ではありましたが、改めて同ジャンルのテントを比較し、実際に1人用2人用テントを同じ目線で比べてみると自分の認識の甘さを感じました。

というのも初めてのテントなら2人用をおすすめするわ。ということです。

ASWINGS2は極端に居住性の高い2人用モデルで、その分重く山岳テントと見るにはやや悩みはしますが、それでもASWINGS1をオススメはしないなと反省しました。

すでに読者様はASWINGS2に決められたようですし、僕が言った通りにする必要もなく、助言程度に過ぎません。

正解なんて本人ですらすぐにはわからないので、ぼくは経験と思ったことを言えれば、それが読者質問記事としての価値なのかなと思いました。それが背中を押すことに繋がっていればいいなと思います。

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まとめ

1聞くと10で返ってくるぜつえん氏への質問。

それが明らかになった過去の読者質問を読んで、それでも質問頂けたのが今回の読者様です。

10答えた中の1でも2でも満足のいく回答だったなら良いかなという気持ちで持ちうる全てで質問に答え記事にしています。

そこの温度差を感じられてしまえばごめんなさい。そこに良さを感じて頂けるのなら今後も質問に全力で答えていく所存です。

各記事へのコメントや問い合わせからお気軽にどうぞ。

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コメント

  1. dtt より:

    ぜつえん様

    お世話になっております。質問させていただいたdttです。
    詳細な記事にしていただきありがとうございます!
    比較の表やテント内の画像を見ると、ぜつえん様の回答の正確性と精度の凄まじさを思い知りました。
    凄いの一言です。ありがとうございました!

    先週末に購入したAS WINGS2を初めて使用してみました。
    居住性とデザインの面でとても満足しております。
    1人で使用する分には本当に広く、メッシュも風が心地よいです。
    メリットについては感じることができましたので、今度は無理をしない程度に重量と耐風性について感じることができる場所にいってみようと思います。

    この度は本当にありがとうございました。
    これからもブログ楽しく拝読させていただきます!
    それでは失礼いたします。

    • ぜつえん ぜつえん より:

      dtt様
      読んで頂いきお褒めまで頂いてありがとうございます!
      おーAS WINGS2さっそく使われたのですね!
      おそらく、すごい広いテントですよね。
      耐風性は過度に心配する必要はないかとも思いますが、強風時は対策しっかりめにすると安心だと思います。

      こちらこそ楽しく記事にすることができました。
      また相談や質問などありましたら気軽にお聞き下さい。