こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
ぼくが正規代理店を務めるAEGISMAXの中でも高性能で軽量な使い勝手の良いキルト型の寝袋「WINDHARD TINY(ウィンドハードタイニー)」
シンプルな形状だからこそ、寝るだけじゃない幅広い用途に使える寝袋なのがキルトの一番の魅力です。
宣伝っぽくなってしまうのも嫌ですがまあそれなりにレビューしていきましょう。
今回は圧倒的多用途で活躍するWINDHARD TINYのレビューと使い方を紹介していきます。
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AEGISMAX
このブログの読者なら、もはやブランド紹介も要らないであろう中国で高品質なダウン寝袋を生産しているAEGISMAX(イージスマックス)
800~850FPダウンをふんだんに使い、EN13537(ヨーロピアンノーム)に対応、RDS認証もしているため中華ブランドの中でも信頼性がかなり高いと言えます。
ぼく曰く、イメージマックスの寝袋の特徴は決してハイスペックではないけれど、トップブランドに比べると格段に安く、それなりに高い満足度と性能を得られる幅広い人にマッチするミドルグレードスペックなことです。
もはや誉め言葉かもわかりませんが、4シーズン山岳用途にも使える軽量コンパクト性と保温力があり、国産寝袋大手ブランドの半額程度の値段で買える手が出しやすい寝袋ということです。
人にもよるんですが、積極的に山岳使用できる最低ランクのダウン寝袋だと思ってます。
モンベルやナンガの寝袋を持ってる人があえてイージスマックスの寝袋を追加する必要性も薄いですが、形状や温度帯を分けるのであれば追加しやすい寝袋です。
特に“キルト”という少し変わった形状なために、いきなり高額品に手の出しにくいところをWINDHARDから初めて、よりいい物にステップアップという選び方がしやすいだろうとぼくは思ってます。
もちろんAEGISMAXの寝袋で満足できるなら文句なしでしょう。
そんなブランド的な立ち位置であり、キルトだと思ってると正規代理店のぼくが言ってました。
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キルトって?
そもそも「キルトってなんぞや?」という人もいるでしょう。
Wikipedia曰く
キルト(quilt)は、表地(トップ・キルトトップ)と裏地の間に薄い綿を入れ、重ねた状態で刺縫い(キルティング)したもの。
引用元:キルト – Wikipedia
生地と生地を縫い合わせて、その中に綿を入れたもの・・・布団のことですね。
本来のキルトは掛け布団的な意味のある言葉でした。
寝袋もそうじゃない?って思うんですが、寝袋(スリーピングバッグ)は袋状になってるのがキモです。
つまり袋状にならない寝袋がキルトと、そういうわけです。
アウトドアで使うことを想定したものは“キルトタイプのスリーピングバッグ”と呼ぶこともあります。
キルトは、マミー型の寝袋では背面のダウンが体で潰れることで無駄になるためそれを省いたものが多く掛ける寝袋的なモノが多くなります。
そのため袋状になってない、密閉度の低い寝袋をキルトと表現することが多いですが、定義も無く、キルトは形も多種多様。
一般的なキルト特徴は、ジッパーや生地を省くことで袋状の寝袋よりも軽量コンパクト化しやすいこと。密閉性が低いぶん温度調整がしやすいこと。
密閉性が低いため保温効率は袋状の寝袋に劣りやすいこと、等があげられます。
軽量性が大事で過度な保温力が必要のない夏用や春夏秋の3シーズン用として使われることが多いです。
種類は多くなく、少し物珍しさのある寝袋ですが軽量化の流れで使用者もそれなりに増えてるキルト。
ULの流れからアメリカ系のブランドに多い製品ですが、意外と大手ブランドも出してたりします。
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WINDHARD TINY
イージスマックスは800FPグースダウンを使ったフラグシップマミー型Gシリーズ、フードレスなMINIやシリーズなど寝袋をたくさん出していますが、中でも異質な850FPを使った3シーズン対応キルト。
スペック
ダウン量 | 290g |
ダウン | グレーグースダウン |
FP | 850FP |
公式重量 (収納袋無) |
496g |
実測重量平均 ±10g程度 (収納袋無) |
457g |
収納袋 | 38g |
保管用メッシュ袋 | 38g |
快適温度(Confort) | 7℃ |
限界温度(Limit) | 2℃ |
サイズ | 190×134cm |
収納サイズ (cm) |
Φ12×20cm |
生地 | iFlex10D DWR(耐久撥水) |
付属品 | ・コンプレッションバッグ ・保管メッシュバッグ ・ミニカラビナ |
何より注目すべきは850FPというダウングレードの高さ。AEGISMAXの中でもWINDHARDと厳冬期用のULTRAでしか使われてないダウンです。
そのダウンを290g封入して製品重量は実測で約457g。
コンプレッションタイプのスタッフバッグは約38gで少し重め。
たしかキルトはEN13537非対応だったと思うんですが、コンフォート7度、リミット2度相当です。
あとWINDHARD TINYの製品名の意味。
WIND(風)HARD(強い、難しい)→強い風が吹く
TINY→小さい
であり、風に強いキルトではありませんが、小さいのはその通りですね。
AEGISMAXの中でも少し特殊な寝袋なので、路線を変えた“新しい風が吹く”みたいな意味があるのかなと勝手に想像してます。
見た目
AEGISMAXのコンプレッションバッグの中でも小さいピンク。
キルト+コンプレッションバッグ+保管用メッシュバッグ+ミニカラビナが付属しています。
公式の製品画像。全開にできるキルト。寝袋というよりも布団に近い見た目です。
縫い目はシングルキルトで冷気は入りやすいですが軽量化重視の3シーズン用という感じ。
コスト削減なのかグレーグースダウン(灰色のダウン)を使ってるので白い10D生地から透けてグレーのダウンが見える見た目が微妙です。
どうせなら白い生地+ホワイトグールダウンにすればいいのにと思ってますが、模様が見えるのがオシャレなんでしょうかね。好みが別れそうです。
公式スペックでは190x134cmしか書かれてませんので他部位を計測しました。
赤矢印は辺の長さ。
青矢印はジッパー。
赤丸はゴムバンド+ボタンがある場所で合計10ヶ所についています。
折りたたんでまとめるとこのボリューム感。
さすが850FPダウン290gと思う膨らみです。
イージスマックスの寝袋は同グレードの寝袋よりも膨らみが強い気がします。ただ膨らみに対して保温力はそうでもないという印象もあります。
膨らみが強いせいで収納時も空気を抜くのが少し大変になりがち。
中央にあるジッパー。
約35cmの長さで外側のみ開けられる片側ジッパーです。
目立たない白いファスナーと小さなジッパータブに、コンシールジッパーという閉めた時に目立たないジッパーを採用しています。
ここに頭を通してポンチョとして着ることもできます。
足元のジッパーは目立つ水色。なんともダサいカラーです。
イージスマックスの寝袋で良く使われるロールヘッドジッパーで、1つだけあるジッパータブを動かすことで内側と外側どちらからでも操作できます。
個人的には両側に付けてくれって思ってて好きじゃないジッパーです。それでもちゃんとYKKなのはさすが。
あとジッパーは壊れやすく煩わしい部分なので、ボタンでも良かったのかなぁと思ってしまいます。
約60cmの足元ジッパーを締めることで布団状から背中開きキルト状態にできます。
ボタンのほうがスマートだけど、マットと合わせて寝るならジッパーの安心感は高いです。
足元はドローコードで絞り込むことで袋状にできます。
ちなみに足元は1辺(円周)約105cmで円周率で割ると約Φ35cm程度なことが分かります。
Φ35cmがジッパーを閉じて着たまま動き時の脚の可動域です。
絞り込むとこう。
仕方ないことですが、ゴム紐がだらんとなるのが嫌いです。非常に煩わしい。
イージスマックスの中でもWINDHARDのみに付いてる謎のマーク。
どんな意味があるんでしょうか。
ちなみにAliExpress等の販売ページでは青いマークが付いてたりしますが、現行は黒いマークです。
たぶん、青いマークのWINDHARDは800FPダウン290g封入で、若干重たいです。
収納
イージスマックスの寝袋は全て純正がコンプレッションバッグです。
黒キャップ×黄緑生地が別売りしてるモノ。赤ピンク全面黄緑は小型モデル専用バッグです。
ぼくはコンプレッションバッグが好きではなく、特に3シーズンシュラフにコンプレッションバッグを使うほど攻めたパッキングをすることもありません。
コンプレッションバッグに入れる手間よりも素早く出し入れできることが大事だからです。
適正サイズ的には3~5Lが無理なく詰められるサイズ感です。
写真のイスカクッカーバッグLはおそらく3.5L位。
雑に素早く仕舞える5L程度の袋が使いやすいです。防水生地で巾着タイプのスタッフバッグに着替えなどと一緒に詰めて使うことが多いから。
具体的にはモンベルライトスタッフバッグ5L(40D.26g)を使ってます。
オクトスやシートゥサミットもオススメ。
付属の保管用メッシュバッグは収納時や洗濯後に入れておくのに便利です。
ぼくは車中泊のときもスタッフバッグではなく、メッシュバッグに入れることが多いです。
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ぼくはこうやって使う
入れば暖かいマミー型と寝袋と違って、使い手次第で良い製品にも悪い製品にもなるのがキルト。
ぜつえん流の使い方を紹介。
キルトに
まずはマットと合わせたキルト本来の使い方。
本体に付いてるゴムバンド+ボタンとジッパーを使って、袋状にしてマットを挟み込みます。
「ダウンは寝た時に背面のロフトがつぶれるし、マットがあるんだから背中側に綿はいらないよね!」と軽量化の理念に基づく背面の開いた付け方がでいます。
頭側から2番目のみボタンが2個付いてて長さを調整できますが、他は調整不可。
多少重くなってもボタンは増やしてよかったんじゃないかなと思っちゃうとこです。
一番上(写真では右上)のボタンは、首元を閉める部分でドローコードも入ってる部分ですが、そこはマットに通さないほうが使い勝手がいいです。
ジッパー部分はマットに入れても出しても良さそう。
実際寝てみるとこんな感じ。
マットの厚さ次第ですが、マミー型と同程度かもう少し広い程度。
実際に使用した感じで3度位までは問題なく使えますが、0度を下回ると背中から入ってくる冷気で寒くなりました。やはり密閉性がマミー型に比べてかなり甘いです。
頭側のボタンをマットに付けなければそのまま起き上がれるのが便利です。
マミー型以上に出入りが面倒で、慣れも必要ですが、頭側のボタンの付け外しで出入りがしやすくなります。
あぐらもかけるのが便利。
ただ足元しか保温されず、上半身が寒いのは欠点。
なので着る。
気温の低い時期の朝晩はこのスタイルが最高に便利です。
マットに取り付けモードと着衣モードを変更するのが面倒なのが欠点。
だから基本的にマットに取り付けない。
ジッパーとボタンを留めてマットに乗せるだけ。それで良い。それが良いのがキルトなのだ。
ぼく的には最低気温0~15度辺りのテント泊で使えるキルトになってます。
もちろん防寒着の有無、マットの性能、その人の防寒性能に大きく左右されます。目安程度にしてください。
ポンチョに
公式でも紹介されてるんですが、ポンチョのように着て使うのがWINDHARDスタイル。
見た目は完全にネタ何ですが、850gダウンが290g入ったポンチョと思うと暴力的なダウンの保温力です。
ちなみにNANGAオーロラジャケットは760FPダウン150gなので、つまりそういうこと。
身長161cmのぼくでひざ下程度まで、腕はヒジ辺りまでカバーできます。
着るときは中央のジッパーを開き、頭を通して何カ所かボタンを留めるだけ。
歩くことが少ないならジッパーを閉じてもいいんですが、ジッパーはしないほうが便利。
ぼくはポンチョスタイルで大きく4種類の装着方法を編み出しました。
着:ポンチョスタイルのこと。歩けるのが便利。テン泊登山で防寒着を1枚(200g前後)削ることもできるキルトの本領発揮できるスタイル。
座:ポンチョスタイルでのあぐら。テント内での朝晩の寒い時間を乗り切れる全身保温スタイル。手が自由に動くので食事などの作業がしやすい。上手に足元をふさがないと冷気が入りやすい。
被:首や顔が寒いときに使うあぐらスタイルの派生。ジッパーの閉め具合でずれにくくできる。足元のカバーが甘くなり、あぐらがしにくくなるのが欠点。
纏:スマホを触る手が冷たい時にする引きこもりスマホいじりスタイル。ジッパーは外側からしか閉められないので半空きになるのが不気味。現代社会の闇。
本来寝ることにしか使えない寝袋を防寒着として活用することで、防寒着を削ることができ、結果的に軽量化できるというキルトの真価が見えるポンチョスタイル。
欠点があるとすれば圧倒的不審者で恥ずかしすぎるので人が多い場所では躊躇われることでしょうか。
ハンモックキルトに
ここ数年人気なハンモック泊。その欠点は背中側の保温力が低い事です。
それを補うために使う道具がアンダーキルト(アンキル)です。
シンプルなキルトであるWINDHARDは少し手を加えることでなんちゃってハンモック用アンキルとして使用可能です。
また掛布団としてのトップキルト的な用途にも適してるためそれぞれ紹介。
トップキルト
トップキルトはそのままかけるだけです。
背面が無いのでマミー型よりも出入りがしやすいメリットがあります。
暑い日にはブランケットのように足元だけ掛けることもできます。
ほぼ布団なのがトップキルト。
ポンチョスタイルで乗るのも有り。
加速するハンモック×WINDHARD活用術。
続いてアンキル化。
アンダーキルト
吊ったハンモックに合わせて、WINDHARDを吊ります。
両側をドローコードで絞ります。
お尻が暖かい。
背中も暖かいアンダーキルトの完成です。
少し寒い、寝心地<保温力な日ではジッパーを閉めると足元の保温力が上がります。
ただ斜め寝がし辛くなるので、寝心地は落ちます。
フードレスマミー型のAEGISMAX MINIと合わせれば春夏秋のハンモック泊装備の完成です。
これがイージスマックス的ハンモック泊。
欠点は長辺にドローコードが無いので調整ができず隙間ができやすい事。
ループなども無いので左右を引いて隙間をつぶすしかないのであくまでなんちゃってアンキルである認識が必要です。
それでもWINDHARDをアンキルとして使ったぼくの使用感は、気温10度以上が使用目安。
5~7度とかになると冷気が入ってくるが気になってくるので、万人にはオススメできないかな。
10~15度位ならほとんどの人が問題無いのではと思います。
ぼくはKAMMOK ROOsingleとMantisULで使ってますが、乗ってしまえば隙間はほとんどできないフィット感。ただハンモックとの相性もあるので隙間ができやすいほど寒さを感じやすいので注意です。
ダウン量的にもアンキル用途では華氏45℉程度のスペックだと思います。
あとはもっと寒いなら0度付近なら30~10℉(-1~-12℃)程度のアンキルを使ってる時にトップキルトとしてWINDHARDを使うのもありですね。
もちろん、その人の寒さ耐性次第です。ぼくは比較的寒さに強いであろう人間です。
WINDHARDの吊り方
最初は、頭側と足元のWINDHARDに付いてるゴムバンドのボタンに引っ掛けるように、プラパーツとゴム紐で作ったモノで吊ってました。
こんなパーツです。
ただゴムバンドの伸びに対する不安と固定力の不満から別の手段を取ることにしました。
というわけで、10mmナイロンバンドでループを付けてあげることに。
プラパーツも別の物にして簡単に吊れるように、調整もできるようになりました。
こんな感じのパーツを左右に2つ使って吊ってます。
アンキル用途がメインではないため、付け外しが簡単で、調整も簡単にと考えた結果がこれでした。
が、売る側としては再現性が低く、ぼくが拙いミシンスキルでループを縫い付けて売るのも嫌でした。
ハンモックキルト向き限定モデル
というわけで「AEGISMAXさんに4辺にループを付けたモデルを生産してくれ」と依頼し、無事OKをもらえました。
つまりは「ぜつえんアウトドア限定のWINDHARD TINY-Hammock Edition」が生産されるというわけだ。
ところで呼び名が毎回変わってますが、WINDHARDアンキル仕様みたいに呼ぶことが多いです。
制作イメージとしてはこんな感じ。
販売
AEGISMAXの工場で製品は完成しており、写真が届いています。
本体よりやや薄い白いナイロンバンドで目立たない仕上がりです。10mm幅ナイロンバンドが3cmほどの長さで付けられています。
オプションでアンキル化するゴム紐を用意しました。
欠点
欠点も。
全てが中途半端
マットと合わせて良し、着て良し、アンキルで良し、な軽量コンパクトで安価で高品質なキルト。と言えば良い認識。
・逆に言えばマットと合わせて使うのをメインに想定したキルトに比べてジッパーや構造的な無駄が多いし、マミー型にははるかに及ばない保温力
・オーロラダウンジャケットよりもダウン量は多くてもウェアではないので隙間はガバガバ、風が吹けばバタつくし動きにくい
・アンキルとしても調整幅も狭ければ密着力も純正アンキルよりもはるかに劣る
多用途に何にでも使えるけど、悪く言えばどっちつかずな器用貧乏というのがWINDHARDです。
そのため1つの用途でしか使わない人なら微妙に感じやすく、スペック的にも不満が多くなると思います。逆に1つをマルチに使うことを想定して使うなら良いキルトに感じられると思います。
「安いんだから雑に使い潰してやろうぜ、使えなくなったころには自分に合ったキルトの選び方が分かってるはずだよ!」というのがぼくの意見。
色々作り込みが甘い
ボタンの位置や数、ゴムバンド、ジッパー、ドローコードの位置など明らかに作り込みが甘い。
使用者のフィードバックが少ないというかキルトを作る経験が甘いようなそんな印象を受けるキルトです。
それでも魅力的に見えるのは高品質ダウンをふんだんに使ってこの値段に仕上げてるとこ。
結局ハイエンドには敵わないミドルグレードを抜け出せないブランドに思います。
タグの位置
この製品タグ。
邪魔過ぎるでしょ。長いし、目立つし、なぜここに付けた。
レビューも書いたし、そろそろ切りますよ。
買ったら最初にする作業はタグを切るで間違いないです。ほんと使用者のこと考えてないでしょって位置です。
ダウン抜け
レビューを見るとダウン抜けの指摘が多く見受けられます。
ぼくのWINDHARDは当たり個体なのかほぼ抜けはありません。ある程度使いこんだや洗濯後に抜け始めるのかもしれませんのでまだ油断はできません。
なかちんさんにレビューを書いていただき、一度借りたULTRAはダウン抜けが多かったです。
個人的な見解ではイージスマックスではULTRAとWINDHARDのみ10Dナイロンと850FPダウンを使ってます。その生地とダウンの相性で抜けやすいのかなと思ってますが真偽は謎。
モンベルの寝袋も極薄生地モデルではダウンが抜けやすいので軽量化の弊害なのだろうと思ってます。
寝袋もウェアもダウン抜けは見た目的に大量に見えてしまいますが、実際には性能に関わるほど抜けることはありません。静電気の起こりやすいウェアで全身真っ白、レベルでも数グラムにもならないレベルです。
気持ちの良いことではないので無いに越したことはありませんが、抜けてきてたら内側に押し込んであげて生地を慣らしてあげましょう。
引っこ抜くのは穴が生地の隙間が大きくなってしまうのでNGですよ。
同グレード寝袋と比較
同グレード寝袋とスペック比較。
比較には寝袋300個以上を比較したスプレッドシートを参考にしてます。
キルト
まずはキルトで比較。
ただキルトといっても共通点は背面が無い程度で、形状や特徴は大きく異なるため比較は参考程度に。
保温力が高いモデルではフードレスで足元をドローコードで絞めるタイプや、背面のみ削ったモデルが多いです。
メーカー名 製品名 |
重量 | ダウン量 | FP | コンフォート | リミット | 目安金額(円) |
Cumulus QUILT 250 |
490g | 250g | 850FP | 4℃ | 0℃ | ¥34,100 |
EXPED HyperQuilt |
515g | 245g | 800FP | 5℃ | 0℃ | ¥35,200 |
NANGA UDD QUILT 350 |
550g | 350g | 770FP | 0℃ | ¥38,500 | |
AEGISMAX WIND HARD |
496g | 290g | 850FP | 7℃ | 2℃ | ¥17,000 |
Western Mountaineering ナノライト58 |
312g | 184g | 850FP | 3℃ | ¥43,670 | |
Cumulus QUILT 150 |
380g | 150g | 850FP | 9℃ | 4℃ | ¥31,350 |
SEA TO SUMMIT エンバーEbI |
420g | 200g | 850FP | 10℃ | 4℃ | ¥35,200 |
MOUNTAIN EQUIPMENT HELIUM QUILT |
510g | 200g | 700FP | 5℃ | ¥26,400 | |
PAJAK QUEST Quilt |
485g | 164g | 700FP | 9℃ | 5℃ | ¥38,500 |
リミット0~5度のキルトを抽出。
WINDHARDはダウンFPと量の割に保温力が低いという印象を受けます。
おそらくAEGISMAXは構造的に保温力が低いのをダウン量でカバーしてるんだと思ってます。
ただ値段だけで見ればWINDHARDの安さは別格。次いで安いMOUNTAIN EQUIPMENTのHELIUM QUILTは重い+保温力が低い+1万円以上高いでWINDHARDに買ってる部分が一切ありません。
他は全て3万円以上でWINDHARDの倍以上です。ぶっちゃけ値段を見てしまえばWINDHARD以外に選択肢がありません。
それでもこの中で値段度外視ならぼくはWestern Mountaineeringのナノライト58を買いますね。WINDHARDの3倍の値段ですが。長期的に見ればまあ許せる値段かなとは思います。ただナノライトどうやらロストアローさんから無くなったようで残念。
現実的にコスパの良さを求めるならキュムラスQUILTを個人輸入すればもっと安く手に入ると思うので、それがいいかなぁと思います。
なんにせよ、WINDHARDで試して自分の用途にキルトが合うことが分かってから他を買い足すのが間違いない選択肢で、AEGISMAXってそういうブランドだと思ってます。
マミー型等
続いてマミー型とかも混ぜて比較した時にどの程度軽いのかという比較。
寝袋の形状は無視で、リミット1~3度の寝袋20個を比較。
重量で言えば20個中7番目。キルトと言えど極端に軽いとは言えませんね。ただ重量×値段で言えば1番です。やはりAEGISMAXってそういうブランドですね。
メーカー名 | 製品名 | 重量 | ダウン量 | FP | コンフォート (℃) |
リミット (℃) |
EN13537 | 目安金額(円) | 形状 |
mont-bell(モンベル) | シームレスダウンハガー 800 #5 (2021) | 462g | × | 800FP | 8℃ | 3℃ | 〇 | ¥28,600 | マミー |
AEGISMAX(イージスマックス) | WIND HARD | 496g | 290g | 850FP | 7℃ | 2℃ | 〇 | ¥17,000 | キルト |
最も近いスペックなのはモンベル シームレスダウンハガー800#5。
スペック的には#5が若干上ですが、寝る専用なマミー型と、多目的に使えるキルトでは用途に幅が出ます。
値段×重量×形状で見た時のバランスが良いのがWINDHARDですね。
850FPダウン
ナンガイスカモンベルの定番モデルに使われるダウンのグレードは800FP。
国内定番がそのグレードなので、800FPより上のグレード、850や900FPダウンを使った寝袋はかなりレア種です。
それもそのはず、ただでさえ高価なダウンシュラフがさら高額になってしまうからです。
では850FP以上の寝袋に絞った時にWINDHARDはどのような見方ができるのか、という比較。
WINDHARD1.5万円、に次ぐのがキュムラスで2.8万とほぼ倍。
850FPというだけで、3~5万円が当たり前な中に1.7万円という格安というか、安すぎる存在なのがWINDHARDなのです。
キルトはもちろん、800FPを卒業して850FPデビューするのにもお手頃価格なキルトだと言えます。
こんな人にオススメ
・安くキルトを試してみたい人
・寝袋は寝るだけじゃもったいないと思ってる人
・アンキルにも使える寝袋を探してる人
・WINDなHARDをしたい人
ぼくが想定してるメインのターゲット層はこの辺り。
具体的には
・3シーズン用途なら防寒着も持ってくし、マミー型はオーバースペックだなと思ってて、でも高級キルトを買うのもなーと思ってて安くキルトを試してみたい人
・冷えてくる夜間の活動は少なく、防寒着を持って行くのは無駄に思えてるけど寒い日は寒いしなぁと思ってる人で、寝袋を着ればいいのでは?と思える人
・上記+で、春夏秋の約10度までを想定したアンキルをまだ持ってないor化繊で重いんだよなぁダウンのアンキル欲しいなぁと思ってるハンモッカー
1つのことではなく、複数のことに使ったり、安くそれなりのキルトを狙ってる人にマッチすると思います。割と多いと思うんですよね。そんな考えの方。
安く買うならAliExpressがベストですが、ハンモック使用を想定するならぜつえんアウトドア限定のハンモックエディションをお待ちくださいませ。
まとめ
宣伝タイミングでのレビューだったので宣伝っぽくなるのは仕方ないながらも、それなりに中立的な目線で書けたかなと思います。
それでもぼくが良いと思って仕入れて代理店になってるので良さを推すレビューにはなりますよね。
スペックでは劣ってますが、値段に関しては他ブランドは比較にならないと思ってます。
その辺りが自分にマッチしたと感じるならオススメの寝袋であり、ブランドですよ。
何より“安くて雑に使える”に魅力を感じるのであれば中華系ブランドは要チェックです。



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